ホンダとしては、できることならこの制限を受けずにF1に復帰したかったに違いない。開発の自由さえ与えられていれば、あれほど多くの問題を抱え込むことはなかっただろうし、マクラーレンも度重なるグリッドペナルティを避けられたはずだ。だが、メルセデス、フェラーリ、ルノーの3メーカーは、レギュレーションの「解釈」により、ホモロゲーション取得を先延ばしすることで開発トークンをシーズン中も使えることになった一方、ニューカマーだったホンダだけは、2月末までにエンジンのホモロゲーションを受けなければならなかった。
新しいハイブリッドシステムに関心を示し、F1への参入を検討しているマニュファクチャラーがあったとしても、昨年のホンダの苦戦を目の当たりにすれば、思わず二の足を踏んだことだろう。しかし、トークンシステムが撤廃されれば、新規参入のマニュファクチャラーがホンダと同じ苦しみに直面することはなくなる。開発の自由が確保され、問題が起きてもすぐに対処できるようになるからだ。