今週末第3戦ポルトガルGPの開催されるアルガルベ・サーキットは、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)にとってデビュー3戦目にして初めての未知のコースとなる。前戦のイモラは逆にF1マシンで最も走り込み、本人も「大好きで、得意なサーキット」だったが、予選とレースで大きなミスを犯し、ノーポイントに終わった。
「意気込んで、目標を高く設定しすぎた」と振り返る角田は今週末のレースに関して、「アグレッシブに行くべきところは行く」としつつも、「予選までにある程度まとめていって、レースでポイントを獲りたい」と、これまでと少し違うアプローチでいく可能性も示唆していた。
────────────────────
──イモラでいくつか犯したミスの原因は、ご自身でどう振り返っていますか?
角田裕毅(以下、角田):目標を高く設定しすぎました。イモラは僕が一番走り込んだサーキットでしたし、ここで大きくポイントを獲ろうという意気込みもあった。それでフリー走行から、すべていい結果を残していこうと思っていました。さらに予選は、何ならトップ4を狙おうと思っていた。同時に今までもそういう時はミスを犯しがちだったので、気をつけようという意識はありました。
──それでもミスを犯してしまった。
角田:FP1からトラブルが出るなど、流れは悪かったですね。なかなか走れずにいて、FP2は普通に走れたのですが、でも少し焦りは出ていました。そしてFP3は渋滞につかまって、1周も本当のパフォーマンスで走れなかった。僕がどのあたりの位置にいるのか、予選前にははっきりわからなかったです。あとで確認してみたら、FP3では4番手ぐらいの位置にいたのがわかったんですけどね。
でもあの時はストレスも溜まっていて、そういう確認もしないで予選に臨んだ。Q1はソフト1セットで通過しようと目論んでいました。もしFP3で速かったことがわかっていたら、そこで無理する必要はなかったと思うんです。でも自分の相対的な速さがわからなくて、無理した部分はあったと思います。
──クラッシュするまでのペースは、すごくよかったですね。
角田:はい。好きなコースだったのもあって、前半部分はけっこう決まっていました。それで少し、興奮しすぎたというか。あの時のブレーキングは、フリー走行では一度も試したことがないくらい遅らせたんですね。ここまで送らせたら、後ろがある程度滑るだろうなというのはわかっていたんです。でも一か八かで行ったら、その予想以上にリヤが滑った。Q1でやるべきことではなかったことだし、すごく反省しています。予選までの組み立てが、うまくいってなかったです。
──レースはいかがでしたか?
角田:あれはまた別の話で、赤旗中断まではうまくいっていました。あのスピンは、経験ですね。ある意味、大きなミスをイモラ1レースで全部出せたのはよかったかなと。どこが悪いのか、自分の弱点がどこなのかもすべてわかった。もちろん結果としてはすごく悪かったし、悔しかったですけど。でも次を見てポジティブに捉えると、いい週末だったかなと思います。