加えて、トラブルが多発しているのも今季のFIA F2の問題点だ。特にクラッチには未だに不安定さが残り、ストールするマシンが後を絶たない。レース1では3台、レース2では5台がフォーメーションラップとスタート本番でストールするという異常な事態になっている。
レース2ではリバースグリッドでポールポジションを手にした牧野だったが、クラッチ不具合の犠牲となりスタートでストールしかけて5番手に後退(ちなみにレース1でも同じ症状、前戦モナコのレース2、バクーのレース1でもストールしている)。
「クラッチに何か問題があるみたいで、昨日からバイトポイントを一度合わせても次に操作したときにはズレているんです。昨日も今日も蹴り出しというか最初に繋いだ瞬間には動いていなくて1回ストールしかけてから動き出しているんです。僕はたまたまストールせずにつながりましたけど、(アルテム・)マルケロフはそれでストールしていますからね」
レースではアントニオ・フオッコを抑え5番手をキープしていたが、7周目に突如スロットルトラブルに見舞われてスローダウン、リタイアを余儀なくされた。
「スロットルペダルがセーフティモードに入るっていう状態でした。全然エンジンが吹けなくなるし、ペダルを踏んでもどうにもならない状態でした。エンジンの音がおかしかったですし、ブレーキもまっすぐ止まらなかった。今日は色々おかしかったですね……。トラブルがなければ後続はなんとか抑えて、最後にラティフィが落ちてきていたので、4~5位あたりだったんじゃないかなっていう感じでした。トラブルはどうしようもないし、まだ2戦続けてあるのでその中で良くなればとは思います」
一方の福住仁嶺は、チームの混乱に振り回された。
フリー走行で誤ってチームメイトのタイヤが装着されており、アタックの最中にピットに戻って交換。右フロントだけ常温の新品に交換したためバランスが狂い、充分な確認ができないまま予選に臨まなければならなかった。そして、こちらもエンジンの出力不足に直面していた。
「マシンバランスは悪くなかったしフロントのレスポンスも良くて自分が求めていたバランスに近かったし、ところどころではギュンターより全然速かったんですけど、やっぱりストレートでロスが……。ターン8~9のシケイン出口からターン10までだけでも0.1秒くらい遅いですから。ビックリしますよ、フリー走行なんて10km/hも遅かったですから」
「出て行ったらステアリングが90度くらい右に曲がってるし、ギュンターのタイヤが付けられていてプッシュしているときにピットに戻ってこいって言われて、右フロントだけ新品タイヤに交換されるからもうマトモに走れないし。自分としては今の現状の中でやれるだけのことをやって戦うしかないので諦めずに戦いますけど……あれだけスピードが違うと、イコールコンディションじゃないですよ」