そのHSVは、この夏に北米から輸入したカマロの高性能版を同国市場に合わせて右ハンドルへとコンバージョンして発売を開始しており、こうした背景を受けて選手権でもそのイメージを引き継ぐスポーツカー・アイコン投入の必然性が高まっていた。
「2017年からVASCシリーズに導入されたGen2規定は、これまでの4ドアサルーンのみという伝統を打ち破り、5ドアハッチバックや2ドアクーペにも広く門戸が開かれた。もちろん、エンジンも我々の魂であるV8自然吸気OHVのみならず、V6や直4の直噴ターボも認められている。これは当然、世界の自動車業界の動向をキャッチアップしたい、との意向からだ」と続けたウォーキンショー。
「その意味でも、カマロはGMホールデンとしても我々WAUチームやHSVの経営者の立場からしても、ぜひ2020年のシリーズに投入したいマシンなんだ。そしてファンもそれを強く望んでいると思う」
「現在はさまざまなケーススタディを行っていて、多くの時間をCAD(キャド)での設計作業に費やし、今はCFD(数値流体力学)が動いている段階だ。つまり初期のデザイン作業を終えて、開発は第二段階に進んでいると言える」
ウォーキンショーによれば、鋼管パイプフレームを採用したVASC共通コントロールシャシーに対し、カマロの低いルーフラインをどのようにフィットさせるかが「ホモロゲーション取得の作業に向けた最初の難関になるだろう」としている。
同様の問題はライバルのフォード・マスタングにも当てはまるが、2019年のデビュー以降2022年シーズンまではホモロゲーションの仕様は維持される見込みとなっている。