更新日: 2021.05.19 15:40
代役ダ・コスタが任務完遂の初優勝。3連覇王者セラとワン・ツーフィニッシュ/SCB第2戦
その背後には、なんと24番手スタートから壮絶なオーバーテイク・ショーを演じたセラのクルーズが浮上し、ギリェルメ・サラス(KTF Sports/シボレー・クルーズ)との2番手争いに突入していく。
サイド・バイ・サイドの勝負を繰り広げる2台のシボレー・クルーズに対し、その背後からチャンスを窺っていた新鋭ガエターノ・ディ・マウロ(KTF Sports/シボレー・クルーズ)が加わり、チームメイトを含めた三つ巴のバトルになると、セラとサラスの隙間を見つけたディ・マウロは強引に2台に割り込むようにボディをねじ込んでいく。
するとサラスのマシンに乗り上げた同じKTF Sportsのクルーズは、ホームストレートでフロントから浮き上がるようにして宙を舞い、激しく地面に叩きつけられ制御不能に。そのままウォールにクラッシュする大きなアクシデントが発生してしまう。
路面とコンクリート壁、2度のインパクトでマシン後部を大破したディ・マウロはすぐさま搬出され、ドクターヘリでサンパウロ市内のサンタ・マッジョーリ病院へ。ICUで救急処置を受けると、翌日には映像とともに無事が報告された。
終盤に恐怖の瞬間を経たレースは、そのまま首位を維持したダ・コスタが19周のトップチェッカーを受け「3週連続、異なるマシンでの表彰台なんて最高! 心からこの仕事を愛している」と、フォーミュラEのモナコE-Prix優勝に続き、SCBを制した最初のヨーロッパ出身ドライバーとして歴史に名を刻んだ。
しかし、最終リザルト上も正式なレース2勝者となるポルトガル出身のダ・コスタは、申請が間に合わずシリーズ規則の条項にある「すべての競技者は南米自動車連盟に所属することを義務付ける」との規約に合致しないため、チャンピオンシップポイントは付与されず。
2位のセラ、3位のサラス、そして4位に滑り込んだリカルド・ゾンタ(RCM Motorsport/トヨタ・カローラ)らが上位ポイントを獲得し、セラは早くも選手権首位に浮上。一方のTOYOTA GAZOO Racing Brasil(TGRブラジル)勢は苦戦を強いられ、2014年SCB王者ルーベンス・バリチェロ(Full Time Sports/トヨタ・カローラ)やトニー・カナーン(Full Time Bassani/トヨタ・カローラ)、ネルソン・ピケJr.(Piquet Sports/トヨタ・カローラ)らはトップ10にも絡めない厳しいレースウイークに。
さらにシボレー陣営でも、今季フル参戦組のLubrax Podium Stock Car Team(ルブラックス・ポディウム・ストックカー・チーム)、フェリペ・マッサ(シボレー・クルーズ)が15位、7位と見せ場なく週末を終えている。