その後2台の911 GT3はフェラーリと激しい争いを展開して観客を喜ばせました。しかし4時間半を過ぎて激しい雨が降り始め、ウェットタイヤへの交換でピットストップに入ったときにワン・ツーポジションを失います。5時間経過後には、911号車が2位に、912号車は4位に後退していました。
レースを通して予定外の2度のピットストップがタイムロスにつながりました。まず最初に、フレデリック・マコヴィッキィの911 GT3 Rがブレーキ交換を行いました。そして2時間後には、スリックで走る集団の中でアール・バンバーの車もブレーキを交換しなければなりませんでした。
その結果、彼の車は表彰台の順位からリヒャルト・リーツのすぐ前の4位まで後退します。しかし、バンバーは見事な巻き返しを見せます。2度目のセーフティカーの出動後、残り2時間の時点でリスタートしたとき、彼はヘビーウェットのサーキットで快進撃を見せ、最初にフェラーリを、次に2位のアウディを抜いてシーズンの最終レースでポルシェに表彰台をもたらしました。
911 GT3 RS市販車をベースに世界各地のGT3シリーズのためにヴァイザッハで設計された911 GT3 Rは、デビューシーズン最後のレースとなったセパンでも成功を収めました。
ダイレクト・フューエル・インジェクションによる最新の4リッター水平対向6気筒エンジンを搭載したポルシェ911 GT3 Rがデビューしたのは1月のデイトナ24時間レースでした。その後911 GT3Rは、IMSAウェザーテックスポーツカー選手権、ワールドチャレンジ、過酷なノルドシュライフェのVLNニュルブルクリンク耐久シリーズなど、数多くの国際的レースで成功を収めています。
■レース後のコメント
ポルシェ・モータースポーツ責任者のDr.フランク・シュテファン・バリサー:
「厳しい天候条件で浮き沈みの激しいレースでした。序盤にウェットタイヤの作業で少しトラブルがありましたが、グリップを得た後はすぐにパフォーマンスを回復しました。セーフティカー出動の後、アールのすばらしい追撃で2位を獲得しました。本当に見事でした。コーションでは少し不運もありましたが、全体的には良い結果となりました。」
アール・バンバー(911 GT3 R #911):
「シーズンの最後に表彰台に登ることができて最高です。ドライコンディションでは好調でずっとトップでしたが、雨が降り始めてタイヤにトラブルが発生しました。しかし雨が激しくなるとともに調子が戻りました。過酷なレースでしたがポルシェにとっては良い結果となりました。」
パトリック・ピレ(911 GT3 R #911):
「セパンは初めてでしたが、レース序盤からさまざまな条件を経験することになりました。天気予報がヨーロッパや米国のように信頼のおけるものではないということも経験しました。そしてここでは、ウェットコンデョションでもレインタイヤ同様にスリックで速く走ることができます。雨でもアスファルトがそれほど滑らないからです。シーズン最後のレースは良い経験になりました。」
ニック・タンディ(911 GT3 R #911):
「911 GT3 Rはドライでもウェットでも見事な走りを見せて、非常に速いラップタイムを記録できました。しかし、タイヤ交換に問題が発生して、それがタイムロスにつながりました。」