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スーパーGTニュース

投稿日: 2009.06.22 00:00
更新日: 2018.02.15 13:44

【ARTA Project】SUPER GTシリーズ第4戦セパン決勝 ARTA NSX、2戦連続の3位表彰台を獲得


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ARTA Project プレスリリース
SUPER GT シリーズ第4戦セパン
決勝

ARTA NSX、2戦連続の3位表彰台を獲得
ARTA Garaiyaは苦境の中、1ポイントを得る

■GT500
 朝から雨模様の幕開けとなった決勝日のセパンサーキット。早朝のスコールが乾ききらない状態で、午前10時45分からのウォームアップ走行を迎えることとなった。ラルフ・ファーマン&伊沢拓也のARTA NSXは昨日の走行不足を補うべく周回を重ね、2分02秒210で7番手タイムをマークし、走行を終えた。 心配された雨は降らず、30,586人の観衆が見守る中、決勝レーススタートの時を迎えた。スターティンググリッド上でポールポジションの#1 GT-Rがピットに戻されるなど波乱の幕開けとなった。先頭が開いた奇数列グリッドのARTANSXはスタートでイン側のウォール近くを突進。ファーマンが3番手にポジションを上げることに成功する。
 ハードタイヤで走るARTA NSXは、一時#6 SC430、#24 GT-Rにかわされポジションを落とすものの、序盤は後方から追い上げてきた#100 NSXとのバトルを制し、4番手をキープ。レース前に決めた作戦のとおりファーマンが長いスティントを走り続ける形でレースを進める。#6 SC430がトラブルで脱落、#24 GT-Rが早めのピットストップを行うとポジションを上げ、34周を消化した時点で首位に立ち伊沢にバトンを渡した。
 リヤタイヤのみの2輪交換でピットアウトしたARTA NSXは、実質のトップを走っていた#3 GT-Rの直後でコースに復帰。#3 GT-Rの先行こそ許すものの、後方から迫る#100 NSXとは間隔を保ちながらフィニッシュへ向けマシンを進める。しかし、交換したリヤタイヤが路面温度の低下に順応できなかったか、伊沢はペースが上がらない。終盤にかけて好ペースで追い上げてきた#17 NSXのアタックを伊沢はなんとかしのぐが、残り2周というところでパスされてしまう。 それでも伊沢は直後まで迫ってきた#100 NSXの攻勢に耐え、3位でチェッカーフラッグを受けた。これでARTA NSXは開幕戦の岡山、第3戦富士に続く今季3回目の表彰台フィニッシュ。ドライバーズランキングでも首位から4ポイント差の3位に浮上している。

●鈴木亜久里監督のコメント
「前半はラルフがけっこう攻めていて、かなり行けるなとは思っていた。全体的には、可もなく不可もなくミスもなく、といったところだったかな。伊沢については、リヤがグリップしないと言っていて、ちょっと苦しかったみたいだけどね。チャンピオンシップを考えると、とにかくポイントを拾っていくことが大事だから、その点できちっと結果を出すことができたと思う」

●佐藤真治エンジニアのコメント
「予定どおり、ラルフのスティントを長めにして、伊沢を短めにという作戦をとりました。大きな問題は無かったですが、ペースを全体的にもっと上げる必要があったかな、と思います。後半のスティントでは、路面温度が下がってきた状態ではちょっとタイヤが硬かったのかもしれません。次戦はさらにウエイトが増すので予選は厳しいかもしれませんが、決勝はまだまだ可能性があると思います。今回、ドライバーと話をする中でヒントのようなものをもらえたので、クルマの開発がこの後うまくいけばと思います」

●ラルフ・ファーマン選手のコメント
「クルマのバランスが良ければ、僕が引っ張れるだけ引っ張ろうという作戦だった。クルマはすごくいい状態で、スタートはハードタイヤを装着していて、15周、20周と周回してもいい状態で走ることができたから、僕がロングスティントを担当することが可能だったんだ。レース中は#100 NSXとのバトルになったけれど、ちょっとストレスがたまる展開だったね。今日は2位になれるチャンスもあったけれど、選手権を考えると3位でも大きな収穫があったと思うよ」

●伊沢拓也選手のコメント
「レース後半、おそらく選んだタイヤがちょっと硬かったと思うのですが、ペースが上げられませんでした。#17 NSXが速かったので、なんとか抑えたかったのですが、抜かれてしまったのは残念でした。表彰台に登れたので、シリーズを考えると良かったとは思いますが、早く表彰台の真ん中に立ちたいですね」

■GT300
 第4戦からの性能調整により、予選日から苦しい戦いを強いられている新田守男&高木真一のARTA Garaiya。予選までの劣勢を挽回するべく、不安定なコンディションとなった朝のフリー走行に臨み、2分14秒597というベストタイムで11番手につけた。
 迎えた決勝レース。新田がスタートドライバーを務めたARTA Garaiyaは、他車がトラブルや接触などアクシデントに見舞われる中、現在のマシンのポテンシャルに合わせた着実かつ安定したペースで周回を重ねる。ポイント獲得も厳しい状況の中、8番手までポジションを上げピットイン。新田から高木へドライバー交代を行った。
 ここでチームは、作業時間の短縮を狙うべく、給油のみを行うタイヤ無交換作戦を実施。さらに、前を走るマシンがアクシデントなどで脱落した結果、41周目には10位までポジションを上げ、ドライバーズランキング首位の座こそ#7RX-7に譲ったものの、苦境の中、チャンピオンを争う上で貴重な1ポイントを獲得した。第4戦を終え、ランキング3位につけている。

●金曽裕人監督のコメント
「本当にこれでいいんだろうか? というレースでした。タイヤ無交換などピット作業も削って、やっと10位ですからね。今、この現状で性能調整とかいろいろな意味であると思うけど、これがスポーツなのか? という事を感じてしまいました。その中で我々はやれるベストをやったからこそ1点が取れたけど、その成果は1点しかないのか? と感じてしまう。まわりがつぶれてくれたということもあるけれど、マシンのパフォーマンスとしてはそんなレベルではなかった。ただ、シリーズを見据えてレースをしているので、その意味では貴重な1戦だったと言えるかもしれない。ドライバーもあの重くてつらい状態のマシンでよくあそこまでいきましたと褒めてあげたい。ピット作業も100点だったし、レースの内容も100点だったけれど、やはりあまりスッキリはしないです。もともと0点の予定だったのが1点になったので、空白が埋められたレースだったのかな。ここで取った1ポイントが、最終戦で笑える1ポイントになればいいな、と思いますね」

●新田守男選手のコメント
「あんな状態の中で1ポイント取れたので、シリーズに対して繋がったかな、というレースでしたね。1ポイント取れたってことは、性能調整のウエイトが足りなかったってことなんじゃないですかね(笑)? タイヤ無交換作戦は全員で話し合って決めました。タイヤが持つかどうかは分からなかったけれど、他に挑戦する作戦は無かった。1ポイントは取れましたが、常に優勝したい気持ちでいるので、そういう意味では失敗ですかね」

●高木真一選手のコメント
「まさか1ポイント取れるとは思いませんでしたね。荒れるレースになるだろうな、と思っていたので淡々と走りましたが、途中8番手まで上がった時には、思わず喜んでしまいましたね。次回も苦しい戦いになるかもしれませんが、楽しんで走れればと思います」


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