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スーパーGTニュース

投稿日: 2009.06.23 00:00
更新日: 2018.02.15 13:45

【LEXUS TEAM KRAFT】2009年SUPER GT 第4戦「KRAFT SC430 9位ポイントゲットは続く!!」


2009年SUPER GT 第4戦
「KRAFT SC430 9位ポイントゲットは続く!!」

 前戦から約1ヵ月半と……ファンにとっても、チームにとっても待望のレース。梅雨時の日本を避け、灼熱のマレーシアはセパンサーキットへと戦いの場を移したスーパーGT第4戦。はるばる日本から40フィートのコンテナに積まれ運ばれて来たマシンと機材を開き、レースへ向け準備を進める為チームは水曜日にマレーシアへと移動。

 木曜朝からサーキットへと入り作業を開始したが、例年の事とは言え……ここセパンは相変わらず湿度の高い灼熱地獄。昨年、一昨年とここ2年間は比較的気温も低めだったが……今年は久々にセパンらしさが戻って来たようで、日中は温度計も45度を楽に越える気温!マシンも……ドライバーも……スタッフも……この熱さとの戦いをどのように制すか?

 今年はここまで、開幕から全戦で完走&ポイントゲットと着実に結果を残している「KRAFT SC430」当然ながら今回目標とするのは表彰台、しかもその真中。ここ2年、GT-R & ヨコハマタイヤのコンビネーションがセパンを制し、下馬評ではNSX勢も有利と言われている中、体力自慢の若い2人がどこまで行けるか?まずは土曜日の走りだしからベストな状況で走れるようにピット環境を整え、マシンの基本メンテナンスを開始。ここまで3戦のデータ、これまでのセパンの特性などから菅沼エンジニアが考案したチーム独自の空力モディファイなどの準備も行い、あとは土曜日のフリー走行&予選を待つばかりとなった「KRAFT SC430」いよいよ……熱い、熱い、セパンのレースウィークが始まった。

公式練習
6月20日(土)10:00~11:30
 初の走行セッションとなる公式練習。毎年、F-1開催の度に路面の補修を行い、コンディション変化が激しいこのセパンでは……「前年データが信用出来ない」傾向にあり、そういう意味からも非常に重要となる公式練習。まずはマシンとコースの状況を確認する為、今回も石浦からコースイン!

 ところが……・セッション開始と同時に大粒の雨が!一気にドシャ降りとなり石浦は1周でピットへ帰還。しばらく様子を見る展開となるが、45分程経ったところでようやく小振りとなり、石浦は再びコースイン!しかしながら、コース上はまるで川のごとく雨が残っており2周程して再びピットイン。続いて確認ため今度は大嶋がコースインし、10分程の走行で総合8番手とした所で残り10分、再び石浦へとドライバーチェンジ!いかにも南国、時折日も差す状況となるがコース上は相変わらずのウェット。結局ドライでは走行する事が出来ないままセッションは終了。波乱の予選を予感させる公式練習となった。

公式予選14:15~15:05
スーパーラップ17:05~
 迎えた午後の公式予選。午前の公式練習は完全なウェット状態での走行であったが……さすがセパン、昼前に雨はあがり再び強い日差しのもと路面は完全なドライへと変化!

 全車同じ条件とは言え……ドライ状態での走行をしないまま迎えたいわゆる「ぶっつけ本番」の予選。予戦アタックを担当する石浦は、混走セッション開始と同時にコースインし、徐々にタイムアップ!まずは無難に5番手とした所で混走セッション残り15分、ドライバーを大嶋へと交代。代わった大嶋も規定タイムをクリアする走りで無難に走りきり、セッション最後の5分間を再び石浦へと託し、総合9番手で走行を終了。

 迎えたGT500の走行時間帯、混走セッションでのドライバーのフィーリングをもとに、300クラスの走行時間帯を利用して微妙にセット変更を施された「KRAFTSC 430」は石浦のドライブでタイムアタックへ!セッション開始5分、予戦用のニュータイヤを装着した石浦は慎重にタイヤに熱を入れ迎えたアタックラップ、2'00.182で7位へとつけ、なんとかスーパーラップへと駒を進める事となった。

 迎えたスーパーラップ。足回りを中心にリセッティングされた「KRAFT SC430」を駈る石浦は2番目の出走順。ドライで走る事が出来ず、まだまだ納得の行くマシン状況では無いものの、なんとか各セクターでベストタイムを記録し1'59.584とこのレースウィークの自己ベストを記録、残り6台のアタックを待つ展開。最後となる#100のアタックが終了し、結果石浦は8位、明日の決勝は8番グリッドから表彰台を目指す展開となった。

ウォームアップ走行
6月21日(日)10:45~11:15
 迎えた決勝日。早朝、スコールに見舞われたが、ウォームアップが始まった時には路面はほぼドライ。まだまともにドライ路面で走いない為、この30分間の走行は決勝へ向け非常に重要な時間であり、セッション開始と同時に全車堰を切ったようにコースイン!まずは石浦が15分程フィーリングチェックの後、大嶋へとスイッチ!

 今週末ドライで走れていない大嶋はニュータイヤでコースインするが……不運にもまたもや雨が!徐々に雨足は強くなり結局満足に走れないままセッション終了。引き続き行われたサーキットサファリも大嶋が担当するが……路面はウェットのまま……結局大嶋はドライ路面を一度も経験する事無く決勝を迎える事になった。

決勝レース(54Laps)16:00スタート
 いよいよ迎えた……決勝スタート。朝のウォームアップ後もセパンの空は気まぐれで、時折シャワーのような雨が降ったかと思えば日差しが戻るといった南国特有の天候となり、路面の変化も厳しいが、75%という日本では考えられない程の湿度にドライバーもメカニックも悩まされることとなった決勝日。

 気温、路温を考慮して16時と設定されているセパンのスタート。
現地の天気予報では、決勝スタート時刻から1時間ほど強い雨が降るとの予報もあり、天候に関しては依然余談を許さない中、なんとかドライコンディションを保ったままスタートの時刻を迎えた。

 今回スタートドライバーを務めるのは石浦、朝のウォームアップで不具合が発生しエンジンを乗せ換えた#100が最後尾へと下がり、またスタート前のウォームアップ走行で不具合が発生した#1もピットへと戻った為、石浦のスターティングポジションは実質6番手、ゆっくりとフォーメーションラップを行い全車綺麗なスタートを決め1コーナーへ!大きな接触もなく2コーナー、3コーナーと進んで行くが……取ったポジションが悪かったのか……石浦は順位を10位と大きく落とし1周目のピット前を通過。

 その後も今ひとつペースが上がらず4周目には#38に先行され11位と順位を下げるが、5周を過ぎた頃にはペースも回復し、また#6がトラブルによりペースダウンした事もあり順位を10位へと回復、前を行くマシンをチェイスする形でコンスタントにラップを刻み、6周目には#38がドライブスルーペナルティーとなった為9位へと浮上!

 更に順位を上げるべく、石浦は安定したペースでコンスタントに周回を重ね、20周を過ぎたあたりからルーティンのピットストップに入る車両も現れた為、順位を6位まで上げた26周目に「KRAFT SC430」もルーティンのピットストップへ!クルーが迅速にタイヤ交換を済ませ、ドライバーも大嶋へとスイッチ。

 全車が1回目のピットストップを終えた所で「KRAFT SC430」の順位は9位。ここから一つでも順位を上げたいところだが……このレースウィーク、ドライでマシンをドライブするのはほぼ初めてとなる大嶋、ドライ状態でのマシンバランスも、今回装着しているニュータイプのタイヤもすべて初めてからの戸惑いなのか……慎重に走行するあまりタイムの上がりが今ひとつ。

 それでも徐々にペースが掴めて来たか……35周を過ぎたあたりからは落ち着いて走行を続けるが、迎えた38周目、トラブルによりポールポジションを不意にした#1に後方から猛迫され、思わず先行を許してしまいポジションは10位。

 タイム的には安定しているものの既に前とは差が開いており、10位キープでチェッカーを目指す展開となるが45周目、前を行く#18がスローパンクチャーで緊急ピットインこれにより難なく9位へとポジションを上げた大嶋は9位でチェッカーを受けた。予戦からセパンの天候に遊ばれてしまった感のある今回のレースだが……着実にポイントを積み重ねるスタイルは続いており、次戦でのリベンジに期待を繋ぐ結果となった。

大澤尚輔監督
残念ながら今回はマシンを作り上げられなかったのが敗因ですね……公式練習から雨にたたられ・・・ドライで走る事が出来ない為になかなかセットアップを詰める事が出来ませんでした。タイヤのチョイスも含め……2人のドライバーには難しいレースでした。ドライバーも含めチームの「若さ」が出てしまいましたね?ただ……厳ししい中にも着実にポイントは重ねましたので、ここから後半戦はビシっと獲りに行きたいと思います。ますは菅生で表彰台目指し頑張りたいと思います。

石浦宏明
天気の影響で、練習走行から思うようにドライ路面でマイルが稼げず、セットアップを詰め切れないまま予選~決勝という流れになってしまいました。今回は自分のテーマとして「安定したレースタイムで走る」というのを心掛けて臨んだのですが、タイムの安定感はあったものの……ペースを上げる事が出来ず同じSCの#36に離されてしまったというのは反省点です。スタートのポジション取りなど、他にも課題は残ったレースなので、このあたりを踏まえて次回はなんとしても表彰台をゲット出来るよう頑張ります。

大嶋和也
自分としては、今回でGT500も4戦目となり、結果を出さなければいけない時期であるとかなり気合いを入れて挑んだのですが……結果9位という事で不満の残るレースとなってしまいました。ただ、マシンの方向性も自分のドライビングの方向性も分かって来ているので、修正しなければならない所を確実に修正して、菅生に向けては更に良い方向にして行ければと思います。菅生こそ!良い結果を出したいと思います。


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