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F1ニュース

投稿日: 2011.08.30 00:00
更新日: 2018.02.16 04:24

ピレリ、決勝前のタイヤ交換を要求したRBRを批判


 ピレリは、ベルギーGPでレッドブルが安全性の問題を理由に規則に反して決勝前にタイヤを交換することを許可するよう要求したが、タイヤにブリスターが発生したのはレッドブルのセッティングに問題があったからだとしてチームを批判した。

 予選Q3に出場したドライバーはベストタイムをマークしたタイヤで決勝をスタートしなければならない規則になっている。しかしベルギーGP予選でレッドブルのセバスチャン・ベッテルとマーク・ウエーバーのフロントタイヤにブリスターが発生、チームはこれが危険な状態であるとしてピレリとFIAに対して決勝前に新しいタイヤに交換することを許可するよう求めた。
 ピレリはFIAがこれを許可した場合に備えて新たなフロントタイヤを用意した。しかし他のライバルチームはこれに反発、FIAも、ブリスターが発生したのはチームのキャンバーセッティングのせいであるとみなし、レッドブルの要求を受け入れなかった。

 ピレリは、レッドブルがタイヤの安全性に問題があると主張したことに対して不快感を示し、ピレリが推奨するキャンバーセッティングの範囲を越えていたことがトラブルの主な原因であり、心配であればセッティングとタイヤを交換してピットレーンからスタートするべきだったとして批判した。

「このような状況に置かれたことは理解できない」とレース後、ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーは語った。
「少し不公平な状況だ。当然避けられた事態だからだ」
「チームはセッティングを変え、新しいタイヤに換えてピットレーンからスタートすることができる。彼ら(レッドブル)はその選択肢を選ぼうとしなかった。もちろん決断を下すのは彼らだが」
「予選後、ある考えと懸念を持ったひとつのチームから接触があった。その後、我々は走行した全車の状況を分析した」
「夜の間に、全チームに関し問題の可能性があればフロントタイヤを交換するという選択肢を検討するため、タイヤを送って調査したが、日曜午前中の調査の結果、問題がないことが分かった。そのため我々はQ3に出場した全チームに報告し、規則は守られるべきであるという点で意見の一致が見られた」

 プラクティスにおいてほとんどドライコンディションで走れなかったこともこのような事態を引き起こした一因であるとヘンベリーは言う。
「金曜と土曜にドライコンディションで走れていたら、こういった困難な状況は避けられただろう」とヘンベリー。
「だが、あるひとつのチームが我々が推奨する限界を拡大するという事態に直面することになった。(推奨する限界を越えれば)レースで困難が生じ、ブリスターが発生する可能性があると我々は考えていた」
「結局どうすべきか。(規則を)変更し、前例を作るのか? ひとつのチームを助けることになる変更を行うのか?」

 この問題は安全性にかかわるものではなく、パフォーマンスにかかわるものだったとヘンベリーは述べている。
「誰かに『これは安全性の問題なのか』と聞かれたら、自信を持って『違う』と断言できた。パフォーマンス上の問題なのか? 間違いなくそうだ」