明けた日曜はウォームアップからのヒート3とプログレッションを経て、セミファイナル1、2で最終5台に絞り込まれるなか、クリストファーソンが午前のヒート3でランケバーネンのコースレコードを更新。さらに前日3番手だったケビン・ハンセン(ハンセン・ワールドRXチーム/プジョー208 RX1e)を仕留め、プログレッション・レースも制してみせる。
しかしセミファイナル1でまさかの事態に陥った“フォー・タイムス・チャンピオン”は、シグナルライトが消えた瞬間にクルマが反応せず。ライバル陣に先行される展開の末になんとか挽回を期したものの、僚友オーレ・クリスチャン・ベイビー(KMS/フォルクスワーゲンRX1e)に次ぐ2位が精一杯となる。
この結果、クリストファーソンはいつものポールポジションではなく、セミファイナル2を勝ち上がったグロンホルムやクララ、そして宿敵ティミーらに挟まれ、ファイナルを3番グリッドからスタートする窮地に陥る。
しかし、そのファイナルでは「2度同じミスはない」と言わんばかりに、早くも電動化時代のポイントを掴んだかのような動きで不利な立場をすぐさま転換。スタートで“3ワイド”を演じたクリスチャン・ベイビー、グロンホルム、そしてティミーの背後から、ターン1出口でラインを交錯させつつトラクション勝負を仕掛ける。これですぐさま首位浮上に成功した4冠王者が、宿敵に対し5周で3.692秒のマージンを築いて完勝を飾る結果となった。
「総じて、WorldRX電動化時代の最初の週末は、非常に良いものになった。トラックで多くのファンを見ることができてうれしかったよ」と、余裕のコメントを残した電動化初代ウイナーのクリストファーソン。
「ここまで到達するのは誰にとっても大きな挑戦であり、すべてのチームがここにいるだけで信じられないほどの仕事をして来たんだ。すべてが非常に新しいし、やるべきことは山積みだが、事前のテストをほとんど行わず、クルマがどれだけうまく機能したかを見れたのが印象的だった」
「僕らKMSとしても1-3でフィニッシュし、両方のチャンピオンシップをリードできたのは素晴らしい結果だ。セミファイナルの後は心底がっかりしたけど、反撃できて良かったよ。わずか30分の間にジェットコースターのような展開になり、スウェーデン人として感情が大きく揺れ動くことに慣れていないから……(笑)。でも勝ててうれしいよ」と、KMSのエースがWorldRXキャリア通算28勝目を手にした。
2位ティミーと3位クリスチャン・ベイビーが占めた表彰台の背後では、デビュー戦ファイナル進出から僚友グロンホルムにも先行したクララが4位に。併催のEuroRX1ではEKSのアウディS1をドライブした地元の英雄、アンドレアス・バッケルドが王者の貫禄を示し勝利を飾っている。
こうして無事に開幕したWorldRX電動最高峰RX1eだが、続くイベントからはダブルヘッダー戦となり、次戦は9月3~4日にラトビアのリガで第2/3戦が実施される。