10月2日、WRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド』の最終日デイ4がオークランドのサービスパークを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が今季6度目の優勝を飾った。前日に22歳になったばかりのロバンペラは、WRC史上最年少でドライバーズタイトルを獲得。また、総合2位にはセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が入り、TGR WRTはワン・ツー・フィニッシュを達成している。
2012年以来、10年ぶりの開催となったWRCニュージーランドの最終日は、サービスパークの南東エリアで2本のステージを各2回走行するかたちで争われた。SS14~17の合計距離は31.18km、このデイ4も断続的に弱い雨が降り路面は全体的に湿った状態でのラリーとなった。
デイ3で総合首位に立ち、総合2番手につけるオジエに29秒、総合3番手のオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)には46.4秒のタイム差を築いたロバンペラは、オープニングステージのSS14でベストタイムを記録してその差をわずかに拡げる。また、続く2本のステージではセカンドベストタイムを刻み、最終ステージを残した段階でオジエに対するリードを32秒に、ドライバーズタイトルを争う3位タナクに対するリードを46.1秒とした。
迎えた最終パワーステージでは、4番手タイムで2ポイントのボーナスを獲得できれば初戴冠が決まる状況のなかでベストタイムを記録。これにより今シーズン6回目の優勝を決めるとともに、次戦スペインと最終戦日本の2戦を残してドライバーズタイトルを確定させることに成功している。
「いま、大きな安堵感に浸っている。今年はとても良いシーズンを送っていたが、何戦か困難なラリーが続き、ようやくタイトルを獲得することができた。速くて信頼性の高いクルマを作ってくれたチームのみんなに感謝している」と22歳の新チャンピオンは語った。
22歳と1日でのシリーズタイトル獲得はWRC史上最年少記録だ。これまでのレコードは故コリン・マクレー氏が1995年に樹立した27歳と109日であった。今回、ロバンペラはその記録を5歳以上も縮めた。
なお、トヨタドライバーのタイトル獲得はこれで4年連続(通算8回目)となり、ロバンペラはカルロス・サインツ、ユハ・カンクネン、ディディエ・オリオール、タナク、オジエといったグレートドライバーの仲間入りを果たすこととなっている。フィンランド人ドライバーがWRCの頂点に立ったのは2002年のマーカス・グロンホルム以来、20年ぶりだ。