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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2024.02.26 14:12
更新日: 2024.03.12 18:58

可夢偉組のエンジニア交代/最終戦から「帰ってない」/ル・マン公式ゲーム発売 etc.【テスト前日Topics】

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ル・マン/WEC | 可夢偉組のエンジニア交代/最終戦から「帰ってない」/ル・マン公式ゲーム発売 etc.【テスト前日Topics】

 トップカテゴリーであるハイパーカークラスに9社、新設のLMGT3クラスにも9つのGT3メーカーが一堂に介する、新しい章の幕開けを華々しく迎えようとしている2024年のWEC世界耐久選手権。そのシーズン・オープニングレース『カタール1812km』の実施に先駆け、開幕戦の舞台であるルサイル・インターナショナル・サーキットでは、2月26日から公式テスト“プロローグ”が開始される。ここでは同地のパドックから各種トピックをお届けする。

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 到着が遅れていた海上輸送コンテナの最後のひとつが、“プロローグ”の開始を前に25日(日)の午前中にドーハ郊外に位置するルサイル・インターナショナル・サーキットに届けられた。既報のとおり、同地で行われる公式テストはスケジュールが変更されており最初のセッションは月曜日14時(日本時間20時)から開始される予定だ。

 26日から二日間にわたって行われる公式テストのスケジュールが日曜日に修正され、各チームは“選択制”となったテストで、最初のセッションか最終セッションかを選べるようになった。貨物遅延の影響を受けなかったチームは第1セッションを選択し、キャデラック・レーシングと大半のLMGT3チームのように準備に影響を受けたチームは最終セッションを選択するものと予想される。

 海上輸送で遅れたものの中には、WECの精密検査インフラも含まれており、これによってプレシーズンテストは当初の予定どおり実施することが不可能となった。Sportscar365は、土曜日の午後から日曜日の朝にかけて50個以上のコンテナがサーキットに到着したことを理解している。

 TOYOTA GAZOO Racingをはじめ、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ、フェラーリAFコルセ、ハーツ・チーム・JOTAを含む少数のチームは、昨年のバーレーン8時間レースで使用した機材の大部分を現地に残し、オフシーズンのテストを中東で行うことを選択したため、機材の大部分もしくはほぼすべてを現地ですでに調達していた。

 JOTAチームの共同オーナーであるサム・ヒグネットは、Sportscar365に対し次のように語った。「私たちはバーレーン以降、ホームに帰っていない。正直なところ(他のチームが)なぜ帰ったのかわからない。ここで少しテストをやっていたが、すべてを終わらせてここに残しておく方が理にかなっているはずだ」

 今季2024年は2台体制となるイギリスのプライベーターは、昨年11月下旬にルサイルで行われたポルシェ・ペンスキー主催のグループテストに参加している。

 ヒグネットによると、チームは12月上旬に2台目のポルシェ963を受け取ったという。「ポルシェは12カ月前よりもずっと良い状態にあるので、我々は(すべての)パーツとマシンを手に入れることができる」と彼は語った。

元F1王者のジェンソン・バトンもステアリングを握るハーツ・チーム・JOTAの38号車ポルシェ963
元F1王者のジェンソン・バトンもステアリングを握るハーツ・チーム・JOTAの38号車ポルシェ963

■追加ウエイトの上限が70kgに

 トヨタの車両開発プロジェクトリーダーであるジョン・リッチェンスは、11月にルサイルで行われた2日間のテストは、今週想定される気温よりもかなり暖かい30℃台前半で行われたことを明らかにした。月曜以降、現地では気温が24℃を超えることはないと予想されている。

 トヨタは、マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース組がドライブする7号車GR010ハイブリッドに新しいレースエンジニア、バスティアン・カーンストックを起用した。彼はウイリアムズF1チームのレースエンジニアとして働くことになったマルコ・フーガの後任となる。

 カーンストックは新しい役職で、すでに3つのテストを担当している。11月のルサイル・テストと、今年1月に行われたモーターランド・アラゴンとポール・リカールでのプライベートテストだ。

 チーム・ディレクターのロブ・ルーペンは、フーガの退職について次のように語っている。「F1はいつも大きな魅力であり、レースエンジニアがそこに行くことは私たちにとって賛辞に他ならない。また、会社の人々にとっても大きなモチベーションになっている。なぜなら、進歩があることが分かるからだ」

 トヨタは2024年仕様のGR010ハイブリッドに大きなアップグレードを導入していないが、ヘッドライトや調整可能なアンチロールバー・システムなど、いくつかのマイナーチェンジが行われている。いずれの変更も、いわゆる“EVOジョーカー”を使用したものではない。

 リッチェンスは昨年のドライバーからの苦情を受け、2022年仕様のライティング・システムに戻すことを決定したと説明した。「2023年に新しいクルマを導入した際、いくつかの異なるライトを試したが、最終的に我々が慣れているパフォーマンスではなかった。とくに夜間や雨や霧のコンディションでは、ドライバーがまぶしさを訴えていたんだ」

 2024年のハイパーカーBoPシステムの変更の一環として、どのモデルにも追加できる重量の上限が50kgから70kgに引き上げられた。トヨタはすでにこのルールの影響を受けており、ベース車両重量より59kg重い1089kgで走行することになる

コースウォークを行うセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組8号車トヨタのメンバー 2024年WECプロローグ
コースウォークを行うセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組8号車トヨタのメンバー 2024年WECプロローグ
2024年型トヨタGR010ハイブリッドのヘッドライト
2024年型トヨタGR010ハイブリッドのヘッドライト

■次のページへ:今年後半にロッシのハイパーカーテストが実現へ


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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