モータースポーツの分野でFCVへのスイッチを実現するには、市販ロードカーの分野でも、同様にディーゼルからFCVへの転換が求められる、ということでもある。そうしたミラーリングやイメージリンクがなければ、アウディとしても挑戦する意義がないからだ。
クニーシュは、改めていかなるレースプログラムを開始する場合でも、それ以前に「プロダクションでの将来性」を有することが重要だと強調している。
フォルクスワーゲン・アウディ連合は、先のコンセプトカーですでに”第5世代”となる水素燃料電池技術を搭載したFCVを形にしているが、それらはまだ一般のマーケットに投入されるには至っていない。
ACOとFIAは、水素パワーと従来のLMP1-Hを共存させるルールブックを検討するワーキンググループを設置。来年6月に水素導入のためのタイムラインを発表することを目指している。ただし、2021年、または22年より以前に、新たな技術規則が発効する可能性は低いと見られている。
2013年にはガレージ56枠で水素燃料を使用するスイスの『グリーンGT』がエントリーしたが、本戦を前に参戦中止。今年のル・マンウイークにデモンストレーションを行った。また、BMWも生産車部門で燃料電池技術の開発に熱心であることが知られている。そして、トヨタはすでに『MIRAI』によって、水素燃料電池FCVをいち早く市場に送り出している。
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