6月10日、水曜日からの走行に先駆け、ル・マン市内のリパブリック広場で第86回ル・マン24時間レースの公開車検が始まった。LMP1クラスのSMPレーシングからル・マン/WEC世界耐久選手権に初参戦するジェンソン・バトンをはじめ、LM-GTEアマクラスに参戦するふたりの日本人ドライバーら、注目のドライバーとマシンが車検場に姿を見せた。
朝方は霧に覆われ、昼過ぎには本降りの雨に見舞われた日曜日のル・マン市内だったが、車検開始時刻の14時すぎには雨は上がった。曇り空のもと、予め発表されたタイムスケジュールどおり、パニス・バルテズ・コンペティションの23号車リジェJS P217・ギブソンを皮切りに、22台のマシンが次々とサーキットから運ばれてくる。
ドライバーたちも順次姿を見せ、参加受付、メディアのインタビュー、トークショーをこなし、最後に車検を終えたマシンとお決まりの記念撮影をしていくプログラムだ。
当初は悪天候もあって客足も心配されたが、雨が止んで車検のプログラムが始まると多くの観客が姿を見せ、やがて例年と変わらぬ人出となった。
この日最初に大きな注目を集めたのは、LMP1に参戦するCEFC TRSMレーシングのジネッタ2台。ブルーメタリックのマシンがローディングエリアに降ろされると、多くのファンがカメラのシャターを切っていく。初日唯一のLM-GTEプロクラス車両となったイエロー鮮やかなコルベットの2台にも熱い視線が注がれた。
やがてクリアウォーター・レーシング、続いてMRレーシングのフェラーリ2台が連続して姿を表す。GTEアマクラスに参戦する澤圭太と石川資章が所属するチームだ。この頃には日差しも戻り湿度、気温ともに上昇し、汗ばむ陽気となっていた。
3度目のル・マンに挑むクリアウォーター・レーシングの澤はテストデーのあと、一度日本に帰国していたといい、この日の朝フランスに戻ったのだという。