FIAは11月6日、WECのLM-GTEプロ、GTEアマクラスに課しているBoPを発表。第5戦上海でプロクラスにワークス体制でスポット参戦するコルベット・レーシングのシボレー・コルベットC7.Rを含む6車種すべてに性能調整が入っている。
北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップで活躍するトミー・ミルナーとオリバー・ギャビンが乗り込むコルベットは6月のル・マン24時間以来の参戦となるが、そのマシンの最低重量は1276kgと、1249kgだった前回と比べて大幅に増やされた。
一方で吸気リストリクター径はφ29.5mmからポルシェ911 RSRと同じφ30.6mmに拡大されている。
この他の車種では、アストンマーチン・レーシングが走らせるアストンマーチン・バンテージAMRがミニマムウエイトの6kg削減と、エンジン回転数のほぼ全域で0.01バールの過給圧アップを得た。
エンジン出力面では変化がないが、BMW M8 GTEとフォードGT、ポルシェ911 RSRも最低重量がそれぞれ5kgされた一方、最重量1280kgで戦うフェラーリ488 GTEエボについてはウエイトの削減はなし。さらに0.01バールのブースト圧ダウンが指定されている。
■GTEアマクラスではフェラーリへの調整を緩和
新型ポルシェ911 RSR、旧式のアストンマーチン・バンテージ、フェラーリ488 GTEの3車種が激突するGTEアマクラスでも全車種に調整が入った。
直近3レースで勝利を飾っているポルシェは前戦からプラス20kgの重量増となり、最低重量がフェラーリと同じ1295kgに。また、アストンマーチンも1268kgから1278kgへと変更されている。
今シーズン苦戦が続いているフェラーリは、ターボブースト圧の上限が0.02バール引き上げられ出力面でプラスに。シーズン折返しとなる上海ラウンドから巻き返しを図りたいところだ。
4クラス合計35台がエントリーしているWEC第5戦上海6時間レースは11月17日に予選、翌18日に決勝が行われる。
■2018/19年WEC第5戦上海用LMP1 EoT(11月7日版)
ノンハイブリッド | ノンハイブリッド | ハイブリッド | |
---|---|---|---|
エンジンタイプ | 自然吸気 | ターボ | ターボ |
MGU放出エネルギー | 0MJ | 0MJ | <4.96MJ |
MGU放出パワー | 0kW | 0kW | <300kW |
最低重量 | 818kg | 833kg | 904kg |
エネルギー量 | 95.6MJ/Lap | 89.7MJ/Lap | 55.5MJ/Lap |
最大燃料流量 | 115.0kg/h | 115.0kg/h | 80.0kg/h |
最大燃料搭載量 | 56.5kg | 52.8kg | 35.1kg |
給油リストリクター径 | 25.00mm | 24.20mm | 20.40mm |