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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2020.09.30 18:35
更新日: 2020.09.30 19:00

マクラーレン、LMDhでのWEC参戦を検討「コストは満足。LMHとのバランスは確認する必要がある」

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ル・マン/WEC | マクラーレン、LMDhでのWEC参戦を検討「コストは満足。LMHとのバランスは確認する必要がある」

 マクラーレン・レーシングのCEOであるザク・ブラウンは、ル・マン24時間レース期間中に発表された次世代の最高峰スポーツカーカテゴリー『LMDh』規則の詳細が、同社にとって「希望を与えるもの」であると語り、依然このカテゴリーへの関心を持っていると述べた。

 マクラーレンはプロタイプレースの将来の方向性を長い間注視しており、北米のIMSAとACO(フランス西部自動車クラブ)が共同で進めているLMDhに関心を示している。

 ブラウンはSportscar365に対し、ル・マン24時間レース期間中に発表されたLMDhの技術規則の詳細が、マクラーレンが持っていた“ほぼすべての疑問”に答えたと語った。

 ただしブラウンは同時に、新型コロナウイルスのパンデミックと、WEC世界耐久選手権におけるLMHマシンとの平等な競争を考慮したうえで、適切な財政状況の下でのみ、マクラーレンのLMDhプログラムは実行可能であることを示唆している。

 LMDhはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で現在採用されているDPi規則を引き継ぐものとなるが、同時にWECのハイパーカークラスにも参戦が可能で、そこではLMH(ル・マン・ハイパーカー)規則のマシンと競うことになる。マクラーレンとしては、このLMDhプラットフォームのグローバルな性格の恩恵を受けたい考えだ。

「我々はこれに関するすべての会議に出席しており、スポーツカーでのレースに非常に興味を持っている」とブラウン。

「マクラーレン・ブランドにはぴったりだ。とても気に入っている」

「LMDhとLMHの間に、真のバランスが取れるということを確認したいね。一方のクルマ(LMH)は四輪駆動であり、もう一方(LMDh)はそうではない。ドライコンディションでは両車の間でバランスが取れたとする。だが、たとえばル・マンの午前2時にウエットコンディションになった場合、どうやってバランスをとるのだ?」

「私はLMDhのルール、およびACOとIMSAの間でのコラポレーションと協力関係に、非常に満足している」

「彼らはそれを正しく理解していると思うし、この試みは成功すると思う。ただ、LMHとLMDhの間に真の同等性があることを確認する必要はある。それは簡単なことではないからだ」

 ブラウンはまた、ル・マンで発表されたLMDhのコストキャップについても楽観的な見方を示す。この計画では、1台のマシンの価格が約100万ユーロとなる見込みで、ハイブリッドシステムに30万ユーロ、LMP2をベースとするシャシーに34万5000ユーロというコストキャップが設けられることが発表されている。

 マクラーレンがLMHよりもLMDhに魅力を感じているのは、LMDhではボッシュが提供するモーターなどによって、より厳格なコスト削減策に焦点があてられているからだ。

 マクラーレンは現在、F1とNTTインディカーシリーズという、ふたつのハイレベルなレースプログラムに参戦中だ。

「LMDhの予算は、我々の期待に沿うものだと思う」とブラウンは言う。

「我々がしなければならないのは、参戦コストを賄うための充分な資金を調達すること。だが、私はコストには満足している」

「この計画は引き続き検討中であり、計画を評価するためのほとんどすべての疑問には回答してもらっている。これは非常に好ましいことだ」

「我々はそれが財政的に可能であり、かつF1のプログラムに悪影響が出ないことを確認する必要がある。これが最優先事項だ」

「我々は(現時点で)選手権3位に位置することで、インディカーにおいてそれ(F1との並行プログラムを成り立たせること)を達成している」

「スポーツカーのプログラムはF1プログラムと補完関係となるため、それらを検証する必要がある。その作業は現在進行中だ」

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この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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