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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2023.04.27 20:42
更新日: 2023.04.27 20:44

トヨタ、センサー不具合での“強制ストップ”回避に議論で前進。プジョーは「独自の解決策」に取り組む

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ル・マン/WEC | トヨタ、センサー不具合での“強制ストップ”回避に議論で前進。プジョーは「独自の解決策」に取り組む

 WEC世界耐久選手権に参戦するトヨタGAZOO Racingは、第2戦ポルティマオ6時間レースで見舞われたトルクセンサートラブルの管理方法について、シリーズの主催者と「建設的な」話し合いを行ったと明らかにした。

 ポルティマオの決勝序盤、7号車GR010ハイブリッドはトルク測定センサーの不具合によりドライブシャフトの交換を命じられ、ガレージで11分間を過ごすことになった。

 ポルティマオではプジョー9X8にもレース後半にセンサーの不具合が発生したが、彼らは充分なレース距離を走行していたため、ドライブシャフトの交換は命ぜられなかった。彼らの94号車はバックアップまたは“デフォルト”モードで、チェッカーを受けることができた。

 トヨタのテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンは、今週末の第3戦スパ6時間レースに向け、将来起こりうるセンサートラブルの影響を軽減するための話し合いを行ってきた、と語った。

 ハイパーカークラスにおけるトルクセンサーは、BoP(性能調整)を管理する目的で使用されるもので、シリーズオーガナイザーであるFIAとACOフランス西部自動車クラブから装着が義務付けられているもの。各チームは、外部サプライヤーからこのセンサーを調達することになる。

 バセロンはスパでのグループインタビューのなかで、「まず、今回起きたことは、明らかに我々の管理下にはなかったことが明らかとなった」と語っている。

「我々はACOおよびFIAと、そのような起きたときになるべくクルマを停止させないようにする必要がある、という合意にすぐさま達した」

「我々は(水曜日に)非常に建設的なミーティングを行い、どのように手順を改善するか、デフォルトモードでの走行を可能にするために、利用可能なデータを最大限に使っていくことを確認した」

「デフォルトモードは、あちこちでパフォーマンスを上げようとする意図を生むものであってはならない。何らかの形でパフォーマンスを落とすモードであるべきだが、それが過度なものであってもならない」

「技術的な詳細をすべて説明するのは難しいが、パフォーマンスを上げることができないデフォルトモードを定義する、というアイデアだ」

「センサーは非常に重要なものだ。パワー、スティント中のエネルギーレベル、ディファレンシャルをコントロールできるセンサーがある。これらすべての制御について、デフォルトモードではマシンを走らせることができるが、パフォーマンス上のアドバンテージがないことを確認しなければならない」

 ハイパーカークラスのマシンにレース序盤にWECが要求するセンサーに問題が発生した場合、大きなタイムロスが発生する可能性が低くなったことをバセロンは指摘している。

「(オーガナイザーとの)コミットメントは、利用可能なデータを最大限に活用する、というものだ」とバセロンは説明する。

「ポルティマオの最初のスティントでは、有効なラップの70パーセント分のデータはあった」

「(合意に達した)アイデアは、デフォルトモードを定義するために、少ないデータであったとしても、可能な限り使用することだ」

 ポルティマオで発生した問題は、WECのレース中には過去に発生したことがなかったが、過去3年間のテストの中のある段階では発生したことがあると、バセロンは認めている。

■解決策への取り組みは「我々の仕事の一部」とプジョー

 一方のプジョーも、FIAやACOと今後レース中にセンサーが故障した場合の対処法について協議した。

「まず、故障の根本原因を理解することだ」と水曜日の午後、プジョーのWECテクニカルディレクターを務めるオリビエ・ジャンソニーは語った。

「我々はいくらかの“ヒント”を手にしているが、このセンサーは他の参戦車と共通のものとなるため、我々の中にとどめておきたい。我々は、我々のパーツのサービスや管理方法について、できる限り(情報を)守りたい」

 ジャンソニーによると、プジョーは故障したセンサーをバックアップするための「独自の解決策」に取り組んでおり、ポルティマオ以来「その方向へのステップ」を踏んでいるとのことだ。

「これは明らかに我々の側(にある作業)であり、我々の仕事の一部だ」とジャンソニー。

「そしてもう一方の側では、バックアップモードでの走行を許可するかしないか、主催者と話し合うことだ」

「そこには、まったく異なるふたつの作業がある。我々は、実際に我々の側にある方の作業に取り組み始めているのだ」

2023年WEC第2戦ポルティマオの決勝で、5位フィニッシュした94号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ) 2023年WEC第2戦ポルティマオ6時間レース
2023年WEC第2戦ポルティマオの決勝で、5位フィニッシュした94号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ) 2023年WEC第2戦ポルティマオ6時間レース


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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