6月7日(水)、100周年記念大会として開催されるWEC世界耐久選手権第4戦『第91回ル・マン24時間レース』のレースウイークが開幕した。走行初日となった7日は、2回のフリープラクティスと予選の計3つのセッションが行われ、ハイパーポール進出をかけた予選セッションではフェラーリAFコルセ勢がワン・ツーを記録している。そんな水曜日のサルト・サーキットから各種トピックスをお届けしよう。
■テストデーからペースの改善が見られたキャデラック
***既報のとおり、タワー・モータースポーツとDステーション・レーシングは、フリープラクティス1回目でのアクシデントによってシャシーの交換を余儀なくされたが、ニコ・バローネのドライブ中に同じくFP1でクラッシュを喫した33号車シボレー・コルベットC8.Rは大事に至らず、その後の予選に臨んだ。予選ではクラス3番手となりハイパーポール進出を決めたコルベット・レーシングのマシンは、テルトル・ルージュでスピンを喫し右リヤにダメージを受けていた。
***FP1では、チップ・ガナッシ・レーシング(CGR)の2号車キャデラックVシリーズ.Rが3番手につけた。アール・バンバーのドライブ中に記録された3分27秒939は、同セッションのベストタイムをマークしたブレンドン・ハートレー(8号車トヨタGR010ハイブリッド)のそれからコンマ2秒以内に入るもので、テストデーにおいてファクトリーハイパーカーの中でもっとも遅いタイムだったキャデラックにとって、急激な改善を示すものとなった。
***チームメイトのリチャード・ウェストブルックは次のように語った。「クルマのフィーリングはとても良く、どんなコンディションでも気持ちよく走れるペースがあるように思える。コースは通常どおりに進化しており、僕たちのクルマに合っているようだね。重要なことは夜も昼もいい状態で、自分たちがやっていることを続けることだ」
■トヨタの元リザーブドライバー、トマ・ローランがグリッケンハウスに帯同
***ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのローレンス・ファントールは、ハイパーカーの究極のレースペースを「予測するのは難しい」と述べた。「以前の(WECの)週末よりもゲームに参加しているのは明らかだが、他所の人たちが何をしているか分からないから、それを予測するのも非常に困難だ。とくにWECでは、1周のペースは重要ではない。大事なのはダブル、トリプルスティントのペースと燃費なんだ」
***ポルシェAGの取締役であるミヒャエル・シュタイナー博士は、水曜日にソーシャルメディア上で声明を発表した。同氏はこの中で「私たちは20回目の勝利という明確な目標を持って#LeMansCentenaryに臨む。FIAとACOが、WECの公平なフィールドを保証してくれたため、我々は華やかなハイパーカークラスで優勝を争えることを期待している」
***ユナイテッド・オートスポーツの共同経営者であるリチャード・ディーンは、今年ル・マン参戦10年目を迎えた。デビュー当時、チームLNTでGT2クラス優勝を果たした彼は、最初の3年間ドライバーとしてこのレースに出場した。2017年以降のすべてのイベントはユナイテッドから参加している。
***元レベリオン・レーシングのLMP1ドライバーであるトマ・ローランは、アメリカチームのリザーブドライバーとしてグリッケンハウスととも現地入りしている。ル・マン総合表彰台を2度獲得した彼は、グリッケンハウスのブリーフィングとフランスのテレビ解説放送チームでの役割を両立させている。
***ローランはSportscar365に次のように語った。「僕はふたつのキャップを被っている! ひとつはフランスのテレビに出演すること、そしてオフの時はチームに戻ることだ。チームと連絡を取り合い、彼らのことを知ることができるんだ。ここでは将来のために準備することもあると思う」