レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2023.07.10 13:15
更新日: 2023.07.10 13:18

トヨタ7号車がポール・トゥ・ウイン。Dステーションと接触のブエミ「彼らにはお詫びしたい」/WEC第5戦

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


ル・マン/WEC | トヨタ7号車がポール・トゥ・ウイン。Dステーションと接触のブエミ「彼らにはお詫びしたい」/WEC第5戦

 7月9日、イタリアのモンツァ・サーキットでWEC世界耐久選手権第5戦『モンツァ6時間レース』の決勝が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)がポール・トゥ・ウインを飾り、2023年シーズン3勝目を挙げた。

 また僚友8号車トヨタGR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組)は、4位でチェッカーを受けたもののレース後に最大パワーの超過があったとして競技結果に50秒加算のペナルティが科せられ、正式リザルトでは6位へ降格になっている。

 猛暑のなか、12時半より開始された6時間の決勝レースでは、1周目から激しい争いが見られる展開に。ポールポジションの7号車はコンウェイのドライブでトップをキープしたが、その後方では、3番手からスタートしたブエミのドライブする8号車が、狭い第1シケインへの進入でフェラーリ51号車と接触し、8番手へと順位を落としてしまう。

第1シケインで混乱が生じたWEC第5戦のスタート
第1シケインで混乱が生じたWEC第5戦のスタート

 開始15分後、7号車のコンウェイはフェラーリ50号車とプジョー93号車を従え首位を走行していたが、8号車はLMGTEアマクラスに参戦しているDステーション・レーシングの777号車と接触し、アストンマーティンがクラッシュ。これによりセーフティカー(SC)が導入される。8号車には、スタート直後の接触と合わせて2度のアクシデントによるマシンへのダメージはなかったが、レーススチュワードより最初のコンタクトでピットストップに10秒加算、さらに2度目の接触で60秒のストップ・アンド・ゴーペナルティが科された。

 序盤のSC導入により、首位7号車の後方には僅差でライバル勢が連なるかたちとなり、再スタートが切られると7号車のコンウェイは3番手に順位を落としてしまう。一方、8号車はペナルティを消化した結果、総合34番手まで大きく順位を落とし、コースに復帰してまもなく周回遅れとなった。

 7号車のコンウェイは順位を落としたあともライバルに離されることなく前を行く50号車フェラーリにプレッシャーをかけ続け、1時間を経過したタイミングで最初のピットへ向かうが、隣のガレージも同時にピットインを行ったためタイムをロス。一方の8号車ブエミは、1回目のピット時にペナルティを消化し、ここから追い上げを開始する。

 ハードタイヤを装着して3番手を走行する7号車は、その時点での最速タイムを記録しながら追い上げをみせ、コンウェイが首位を奪還。その後ロペスへと交代していく。ロペスも首位争いを続け、3時間過ぎに5号車ポルシェ963をかわしてトップに再浮上した。その直後LMP2クラスのアクシデントにより、この日2度目のSCが導入された。

7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組) 2023年WEC第5戦モンツァ
7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組) 2023年WEC第5戦モンツァ

■最終スティントでは3度目のSC導入でリード帳消しに

 ピット戦略の異なるライバル勢がSC導入前にピットインを終えていたこともあり、首位に立ったロペスの7号車はファステストラップを2度更新する速さを披露しながら2番手の50号車フェラーリとの差を広げていく。8号車もブエミから平川へとドライバー交代し、猛烈な追い上げで7番手へと順位を上げた。

 8号車は、的確な戦略と平川の好走で周回遅れから脱することに成功し、レース終盤にハートレーへと交代。ハートレーは、トップ6フィニッシュへ向けてさらなる追い上げを開始する。一方、首位を走る7号車は、ロペスの健闘により2台のフェラーリに対し大きな差を広げ、4時間過ぎに可夢偉へと最後のドライバー交代を行った。

 しかし、このレースでデビューしたプロトン・コンペティションの99号車ポルシェ963が、トラブルによって第1シケイン先でストップ。この影響で三度SCが導入され、45秒あった2番手フェラーリが差が帳消しに。最後の1時間半、可夢偉はフェラーリ50号車から僅差での追撃を受ける。しかし7号車は、ファステストラップを更新する走りで後続を突き放し、2番手の50号車フェラーリに16秒520の差をつけてトップチェッカー。敵地モンツァでシーズン3勝目を飾った。

 8号車は3度目のSC導入のタイミングで緊急給油ピットインを余儀なくされ、レース再開時には8位へと順位を落とすことに。それでも最後まで諦めることなくプッシュし、ハートレーが残り15分でタイトルを争うフェラーリ51号車とポルシェ5号車を次々にオーバーテイク。暫定4位でチェッカーを受けた。しかし前述のとおり8号車はレース後にペナルティを受けて6位に後退。その理由は190周目にパワートレインの出力制限が既定値を超えていたというものだった。

 今大会で2023年シーズンWECヨーロッパ・ラウンドは終了。TGRにとって今季4勝目となった今回の勝利により、マニュファクチャラーズランキングでは2位フェラーリとの差を26ポイントへと拡げることに成功した。また7号車の3名は、この勝利で僚友8号車のトリオに次ぐドライバーズランキング2位タイへと浮上。ふたたびチャンピオン争いに加わることとなった。WECの次戦は、9月8~10日にTGRのホームである静岡県の富士スピードウェイで開催される第6戦富士6時間レースだ。

トップを争う7号車トヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing) 2023年WEC第5戦モンツァ
トップを争う7号車トヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing) 2023年WEC第5戦モンツァ
“敵地”モンツァで優勝を飾った7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組) 2023年WEC第5戦モンツァ
“敵地”モンツァで優勝を飾った7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組) 2023年WEC第5戦モンツァ

■次のページへ:TOYOTA GAZOO Racingドライバー:モンツァ6時間後コメント全文


関連のニュース