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投稿日: 2016.10.30 21:11
更新日: 2016.10.30 23:06

言い訳をしない新チャンピオン。国本とセルモのタイトル獲得までの『男気』ストーリー

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スーパーフォーミュラ | 言い訳をしない新チャンピオン。国本とセルモのタイトル獲得までの『男気』ストーリー

 いわば、今シーズンは国本の気骨溢れる信念が実った形となったが、実は昨年の国本のマシンは原因不明のトラブルに見舞われていた。石浦車とセットアップを合わせても同じようなパフォーマンスを出せず、国本はフィーリングで異変を感じ取っていたが、チームの方で調べても原因が見つからない。結局、そのトラブルは解決せずに、国本は不本意な成績のままシーズンを終えた。

 だが、セルモは今年も国本と契約を継続し、トラブルの真相解明に着手。シーズンオフのテストでは国本車に石浦が乗り込んで、原因を探した。石浦もすぐに自分のクルマとの違いを感じ取り、チームはファクトリーで国本車のクルマを何度もバラし、そしてついに、モノコックに亀裂の原因があることを突き止めた。

 だが、そのモノコックのトラブルを国本は一切、口外せずに、自分の中にしまい込んだ。

「昨シーズンは不甲斐ない結果で、すごく苦しいシーズンを過ごした。今年こそはと思って、シーズンオフからいろいろなことにトライして、すべてを変えなきゃいけないと思って挑んだシーズンでした」

 その国本の気持ちに応えるように、チームも男気を見せた。今年に向けて国本に新しいモノコックを準備することを決めたのだ。当然、ウン百万円の資金が必要になる。だが、国本の今年に懸ける強い気持ちに、チームが動かされた。昨年から今年に掛けての国本の変化を、同じドライバー目線で立川祐路監督が語る。

「国本は去年、石浦がタイトルを獲って、一番悔しい思いをしたと思うし、今年に懸ける意気込みが強いのはわかっていた。それをみんなでサポートしようと。去年は与えられた環境の中で普通に乗って走るように見えたのが、今年はもう『自分でなんとかする』という、そういう意識を感じたので、それに引っ張られて、チームのみんなが頑張るという相乗効果が生まれたのが良かった」

年間チームタイトルを獲得したP.MU/CERUMO・INGINGの立川祐路監督
年間チームタイトルを獲得したP.MU/CERUMO・INGINGの立川祐路監督

■最終戦レース1のスタートで、雄叫び


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