レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

投稿日: 2023.06.19 12:19
更新日: 2023.06.19 12:20

P.MU/CERUMO・INGING 2023スーパーフォーミュラ第5戦SUGO 決勝レポート

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


スーパーフォーミュラ | P.MU/CERUMO・INGING 2023スーパーフォーミュラ第5戦SUGO 決勝レポート

INGING MOTORSPORT
SUPER FORMULA 2023
P.MU/CERUMO・INGING

RACE REPORT
第5戦 スポーツランドSUGO

2023年6月18日(日)決勝
天候:晴れ 路面:ドライ

#38 坪井翔
決勝:7位
#39 阪口晴南
決勝:10位

 阪口晴南は思わぬ不運に見舞われてしまったものの、坪井翔は予選4番手と、これまで決して相性が良いわけではなかったスポーツランドSUGOで速さをみせることができたP.MU/CERUMO・INGING。

 ただ、これまでのシーズンでは上位にはつけてはいるものの、なかなか優勝に手が届いているわけではない。坪井にとっても阪口にとっても、決勝レースでのペース改善が勝利への大きな課題とも言えた。

 坪井はさらなる上位進出を、阪口は今後に繋がるレースを目指すべく、P.MU/CERUMO・INGINGは6月18日(日)の決勝日に臨んだ。

PRACTICE フリー走行

6月18日(日) 9:55~10:25 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 坪井翔 1’08.636/#39 阪口晴南 1’08.769

 前日から初夏の陽気に恵まれたスポーツランドSUGOは、決勝日となる6月18日(日)も朝から気温27度/路面温度38度という暑さながら、8000人のファンが訪れるなかで9時55分からフリー走行がスタートした。

 坪井、阪口ともにコースイン後1度ピットイン。決勝レースを見据えたロングランを行い、セットアップの確認を行っていった。

 前日の公式予選のようにアクシデントが発生することはなく、赤旗中断がないまま各チームとも30分の走行時間を有効に使いながらラップを重ねていった。

 そんななか坪井は6周目~9周目に相次いで1分08秒のラップタイムを記録。8周目には1分08秒636というベストタイムを記録し、このフリー走行のトップで決勝に向けて好感触を得た。

 一方の阪口は、8周目に1分08秒769というベストタイムを記録。最後尾からのスタートとなるが、こちらもレースに向けてたしかな手ごたえを得た。このスポーツランドSUGOはオーバーテイクがしづらいことから、大幅なポジションアップは難しいかもしれないが、決勝レースへ向けこちらも好感触のもと午前の走行を終えることになった。

 このSUGOはタイトであることから、早めのピットインを行った場合、トップの車両の位置によってはラップダウンにされてしまう恐れがある。チームはそのリスクを避けるべく、決勝レースでは坪井、阪口ともに比較的後半までピットストップを遅らせる戦略を立てていった。

 前日も立川祐路監督が語っていたように、レースの流れをうまく読むことが重要。そのためにも良いレースペースが必要ではあったが、午前のフリー走行ではそのポテンシャルが2台とも十分ありそうなことが確認できた。

2023スーパーフォーミュラ第5戦SUGO 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第5戦SUGO 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

RACE 決勝レース

6月18日(日) 14:30~ 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム:#38 坪井翔 1’08.617(39L)/#39 阪口晴南 1’08.900(39L)

 気温28度/路面温度36度と、真夏のような暑さのなかで迎えた14時30分からの決勝レース。ただ午前に比べて雲が多く、日射しはそこまで強いものではなかった。

 1周のフォーメーションラップを経て迎えたスタートでは、坪井が好スタートを決め3番手につける。また阪口も最後尾から好スタートを決めるとふたつポジションを上げ20番手に浮上した。ただ、直後オープニングラップのS字で16番手スタートの#36ジュリアーノ・アレジと17番手スタートの#19関口雄飛がアクシデントによりストップしたことから、1周目からセーフティカーランとなった。

 リスタート後、坪井はトップの#53大湯都史樹、2番手の#37宮田莉朋を追っていくが、#53大湯のペースが上がらない。10周目を過ぎるとピットインを行う車両が出はじめるなか、13周目には#37宮田が#53大湯をオーバーテイク。坪井もこれに続き15周目の1コーナーで#53大湯をかわすと2番手に浮上した。

 ただ一方で、今度は今季争うことが多い#15リアム・ローソンが坪井に接近してくる。17周を終え#37宮田がピットインしたことから坪井はトップに浮上することになったが、レース後半に向けてマージンを稼ぎたいところだったものの、後方からピタリと#15ローソンが続く展開に。

 しかも、午前中に良いフィーリングだった坪井のラップタイムが上がらず、フリー走行こそ1分08秒台が相次いで出せていたにもかかわらず、決勝では1分09秒台から1分10秒台のタイムで推移することになってしまった。

 一方、後方からアグレッシブなレース展開をみせていたのは阪口だ。セーフティカー明けの5周目にふたつポジションを上げ18番手につけると、17周目には#4小高一斗をかわし、16周目には#51ラウル・ハイマンをパス。抜きづらいSUGOで下位グループとは別格のようなポテンシャルをみせつける。

 特に速いのが最終コーナーで、そのスピードがオーバーテイクに繋がっていた。予選での不運が悔やまれるところではあったが、そんな不運を帳消しにするかのような戦いをみせていった。

 P.MU/CERUMO・INGINGの2台のうち、先にピットストップを行ったのは阪口。51周のレースのうち後半戦となる32周にピットインを行い、13番手でコースに復帰すると、35周目には#6太田格之進をパス。12番手につけていく。

 前を走るのは11番手の#65佐藤蓮、さらに40周目にピットインした#20平川亮という顔ぶれだ。あとふたつポジションを上げればポイント圏内に届いていく。

 一方、#15ローソンを従えながらトップを走り続けていた坪井は、クリーンな状況で走行が続けられていたものの、終盤に燃料が減り軽くなってもなかなかペースを上げられずにいた。

 先にピットインを行っていたライバルたちの方がペースが優り、このままピットインを遅らせても彼らの後方に入ってしまう。セーフティカーが出る可能性にかける戦略もあったが、この日の展開ではなかなか出そうにもなかった。

 坪井は38周目にピットインを行うと、フレッシュなタイヤで後半の巻き返しを狙うことにした。9番手でコースに戻った坪井は、#20平川のピットインにともない8番手へ。さらにプッシュを続け、フィニッシュの2周前には#18国本雄資をかわし7位でフィニッシュした。

 劇的な追い上げはならなかったが、苦しい状況ながらもポイントを得てレースを終えることになった。

 そしてドラマチックなフィニッシュを遂げたのは阪口。43周目に#65佐藤をかわすと、最終周の最終コーナー立ち上がりで#20平川をオーバーテイク。わずか0.041秒差で10位に食い込み、ポイント獲得を果たしてみせた。

2023スーパーフォーミュラ第5戦SUGO 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第5戦SUGO 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

#38 坪井翔

「レースはセーフティカーのリスクもあるので、なるべくピットストップを遅らせようと思いましたが、中盤以降なかなかペースを上げられませんでした。結果論から言えばペースが悪かったので早めにピットに入るべきだったかもしれませんが、いずれにしろペースの遅さが敗因です」

「早めにピットインしていたライバルも多かったので、終盤、フレッシュなタイヤを使って抜けるチャンスもあったのですが、それも活かせないくらいでした。ロングランへの課題はずっとありますが、今回は特にひどかったですね。今後得意なコースが続くので大丈夫ではないかとは思っていますが、この課題の解決に向けて、来週のテストでしっかりと取り組んでいかなければいけません」

#39 阪口晴南

「ポイント獲得まで順位を上げることができて良かったです。最後は平川選手を抜くこともできましたしね。今季はこれまでポテンシャルが上がっていて、予選では不運もあり、今回は後方からのスタートととなりましたが、ペースが上がらないライバルに対して競っていたときはまだしも、単独走行になったときには上位のライバルたちにも劣っていない良いタイムを記録することができました」

「これまでの決勝レースとの挙動ともまた違いましたので、今後に向けてすごく良い手ごたえがありました。次戦は富士ですが、予選から良い位置につけたいですし、上を目指してさらに課題を見つけたいです。テストもあるので、誰よりも有意義な2日間にしたいですね」

立川祐路監督

「坪井選手については決勝ペースがかなり悪かったので、苦しい展開になってしまいました。原因はまだ分かりませんが、レース直前のウォームアップまで悪くなかったので、予想外でしたね。今後しっかりと原因を探らなければいけません」

「一方阪口選手は、昨日の不運な予選から最後尾スタートとなりましたが、ポイント獲得まで追い上げてくれたので、僕たちの予想を上回るレースだったと思います。クルマもレースを重ねるごとに戦える状態になっていると思いましたし、予選で前につけることができていればさらに上位で戦えると思います。戦える状態になっていると思うので、次戦は2台揃って上位で争えるよう、しっかり準備していきたいと思います」

2023スーパーフォーミュラ第5戦SUGO 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第5戦SUGO 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)


関連のニュース

スーパーフォーミュラ 関連ドライバー

スーパーフォーミュラ 関連チーム