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投稿日: 2023.07.17 13:50
更新日: 2023.07.17 13:51

TOYOTA GAZOO Racing 2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 レースレポート

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スーパーフォーミュラ | TOYOTA GAZOO Racing 2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 レースレポート

2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦富士

宮田莉朋が3位表彰台獲得
20番手スタートの平川亮が猛追で4位フィニッシュ

 スーパーフォーミュラの第6戦が富士スピードウェイで行われ、ランキング首位につける宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)が3位表彰台を獲得。20番手グリッドスタートの平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が観客を魅了するオーバーテイクショーを見せ、4位フィニッシュを果たしました。

 7月15日(土)と16日(日)の両日、全日本スーパーフォーミュラ選手権の第6戦が静岡県の富士スピードウェイで行われました。

 全7大会、9レースで競われている2023年シーズンのスーパーフォーミュラは後半戦に入りました。激戦が続く今シーズン、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)勢は、第3戦鈴鹿で自身初勝利を挙げた宮田が、続く第4戦で2位、前戦第5戦で今季2勝目を挙げ、ドライバーズランキング首位に浮上。表彰台3回の坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)が首位と25ポイント差のランキング4位につけています。

 夏休み前の3連休となった週末、今季2度目の富士スピードウェイで開催された今大会は、「夏祭り in FUJI MOTORSPORTS FOREST」として「サーキットで夏の思い出をつくろう」をテーマに実施。イベント広場には提灯、夏祭りならではの屋台などが並び、花火も打ちあげられるなど、夏のイベントならではの盛り上がりを見せました。2日間を通して33200人、うち15歳以下のお子様が6800人という多くのお客様が富士スピードウェイを訪れ、夏のサーキットを楽しみました。

■予選

 15日(土)はやや厚めの雲に覆われました。ドライ路面ながら予想されていたよりも低めの気温25度、路面温度29度というコンディションの下、午後2時20分よりノックアウト方式の予選が行われました。
 Q1は2組に分けてそれぞれ10分ずつアタックし、上位6台がQ2へと進出します。

 A組では、セッションが残り6分を切ったあたりから、各車新品タイヤへと交換してコースイン。最初にアタックに入ったのは、1週間前のWECモンツァ6時間で勝利を挙げ、凱旋参戦となる小林可夢偉(Kids com Team KCMG)で、1分23秒219をマーク。
 その後、最終周でアタックした車両が次々にタイムを更新。阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)は1分23秒190で小林を上回り、この時点での5番手に浮上しました。

 6番手につけていた小林は最後にタイムを更新した車両により惜しくも押し出される形となり、結局、A組では6番手で踏みとどまった阪口がTGR勢で唯一Q2へ進出。小林は0.029秒届かず7番手。今大会より、VANTELIN TEAM TOM’Sの36号車をドライブすることとなった笹原右京は8番手。小林同様前週のWECモンツァから1週間で今大会に臨んだ平川はタイムが伸びず10番手で今季初となるQ1敗退。小高一斗(KONDO RACING)は11番手に終わりました。

 B組も最終ラップのアタックで次々にタイムが更新されていく展開となる中、好調な宮田が1分22秒台に入れ、TGR勢最上位の3番手。午前中のフリー走行でTGR勢トップにつけた山下健太(KONDO RACING)が5番手、宮田と共に今季ここまでの5戦全てでQ2進出を決めている坪井も6番手に入り、3台がQ2へ進出。関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) は坪井のタイムに0.031秒届かず7番手。国本雄資(Kids com Team KCMG)が8番手。前戦SUGOで4位の好走を見せた大嶋和也(docomo business ROOKIE)は9番手に終わりました。

 Q2は、11台が1分22秒台に入れる僅差の争いとなりました。まず、宮田が1分22秒457と早めに好タイムをマークしその時点のトップに立ちました。しかし、今大会、Q1から速さを見せるホンダ勢がこのタイムを上回っていき、結局、TGR勢の最上位は宮田の5番手グリッド。Q1から大きくタイムアップを果たすも山下は8番手、阪口が10番手、坪井が11番手から決勝レースをスタートすることとなりました。

2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

■決勝

 16日(日)も朝から曇り空。全国的に猛暑が報じられた週末ですが、この日の富士は気温25度、路面温度31度と予想に反して涼しく、過ごしやすいコンディション。グランドスタンドを埋めた2万人を超える観客の見守る前で、午後2時半より41周で争われる決勝レースのスタートが切られました。

 TGR勢最上位5番手からスタートした宮田はやや出遅れ集団に飲み込まれるも、ポジションをキープして5位で1周目を終えると、4位争いを展開。その後方では、8番手グリッドの山下が大きくポジションを落とす一方で、14番手スタートの小林が12位へ、20番手スタートの平川が16位へと順位を上げました。
 平川は序盤から周回毎に順位を上げていく速さを見せ、6周目には小林、9周目には坪井もパスして10位につけ、早くもポイント圏内まで浮上しました。

 義務づけられているタイヤ交換ピットインが可能となる10周目を迎えると、5位走行中の宮田、小林、大嶋、山下を含む複数台がピットへと向かいました。

 翌周以降にも続々とピットインする車両が出てくる中、平川はピットインせず、ハイペースで周回を続け、先にピットインした車両との見えない順位争いを繰り広げることとなりました。

 30周を終えたところで、タイヤ交換をせず周回をつづけていた平川がピットイン。これで全車がピットを終え、4位となった宮田は、前を行く佐藤蓮に迫り、オーバーテイクシステムを駆使してパス。3位へと順位を上げました。

 平川は8位でコースに復帰。新品タイヤのアドバンテージを活かし、前を行くライバル勢よりもはるかに速いペースで追い上げを開始しました。33周目に野尻智紀(ホンダ)、38周目に入るストレートでは山本尚貴(ホンダ)をパスし、6位へと順位を上げると、38周目はファステストタイムを叩き出し、前で4位争いをしている2台に追いつきました。

 残り2周となった40周目、ストレートで太田格之進(ホンダ)に並ぶと、粘る太田のインにねじ込みTGRコーナー(1コーナー)でオーバーテイク。続く最終コーナーで4位の佐藤のインに入りパスしますが、佐藤もここは諦めずストレートではオーバーテイクシステムを使って抜き返し、平川は5位でファイナルラップへ。チェッカー目前の最終コーナーで平川はアウトから仕掛けると、立ち上がりのクロスラインでインをつき佐藤をパス。

 結局、宮田がTGR勢最上位の3位でチェッカーを受け、4戦連続となる表彰台を獲得。平川はこの宮田に続く4位でチェッカーを受け、20番手から16台抜きのオーバーテイクショーを見せ、観客を魅了しました。
 小林が14番手スタートから5つポジションを上げての9位、阪口が10位でポイント獲得を果たしました。

 タイトル争いでは、2位のリアム・ローソン(ホンダ)にポイント差を詰められたものの、宮田は1ポイント差ながら首位を守ることとなりました。

●宮田莉朋 VANTELIN TEAM TOM’S

「富士はトヨタのホームコースなので勝ちたかったんですが、終始苦しいレースでした。ただ、ホンダ勢と争う機会がいつも以上に多く、彼らのどこが強くてどこが僕らに足りないのかというのが明確に分かり、そういう意味ではすごく収穫がありましたし、最低限表彰台に上がれたのは良かったです。また、この富士で、決勝で追い上げられたというのも今まではできなかったですし、予選、決勝共にトヨタ勢のトップで終われたというのは、富士では自分自身初めてなので、その点ではすごくポジティブな結果で、チームのみんなに感謝しています。まだシリーズはもてぎ、鈴鹿と残り3戦あるので、チームとそしてTGRのみんなで力を合わせて一戦一戦ベストを尽くして頑張りたいと思います」

2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)
2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)


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