レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

スーパーGT ニュース

投稿日: 2024.04.15 21:20
更新日: 2024.04.15 21:21

muta Racing INGING 2024スーパーGT第1戦岡山 決勝レポート

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


スーパーGT | muta Racing INGING 2024スーパーGT第1戦岡山 決勝レポート

スーパーGT第1戦
OKAYAMA GT 300KM RACE

岡山国際サーキット
決勝:4月14日
天候:晴れ
コース状況:ドライ

決勝:優勝

 2024年スーパーGTシリーズ開幕戦は、4月14日に岡山国際サーキットで決勝レースが行われた。この週末は天候にも恵まれ朝早くから開幕を待ちわびた熱心なファンや家族連れ1万5500人がサーキットに詰めかけた。そして航空自衛隊のF-2戦闘機2機によるウエルカムフライトで、会場のボルテージも高まった。13時30分、岡山県警の白バイとパトカーの先導により、パレードラップがスタートした。

 気温26度、路面温度39度という初夏のような天候の13時35分、300kmレースがスタートした。しかしオープニングラップのヘアピンの次の直角ターンであるリボルバーコーナーの先で複数台の車両が接触し1台が動けなくなった。またアトウッドカーブでも接触によりコースアウトした車両があり、いきなりセーフティカー(SC)導入という波乱の幕開けとなった。

 隊列を整え、7周完了の時点でリスタート。スタートドライバーを担当した平良響は、ポールスタートの65号車メルセデスから離されることなく2位をキープ。直後には予選3位の61号車BRZを引き連れてこの3台がトップグループを形成し、周回を重ねることとなった。14周を過ぎると61号車BRZが徐々に離れ、トップ争いは65号車メルセデスとの一騎打ちに。

 GT500車両に追い抜かれるタイミングで、平良はトップとの差を2.6秒ほどに離されることもあったが、すぐにその差を2秒以内に縮めた。ピット作業のタイミングを計っていたチームは、トップ車両が周回遅れに追いつきペースが鈍ったころにピットインを指示。平良は33周目にピットインして堤優威に交代した。

 ピット作業はドライバー交代と給油のみを行い、事前に決めていたとおりにタイヤ交換はせず、わずか23.5秒の作業で堤を6位でコースへ送り出した。周回を重ねるにつれてピットインを行う車両が出てきて、堤は39周目には3位へ順位を上げた。45周目に2位の車両がピットインすると、トップの65号車メルセデスとの差は47.7秒。相手がピットイン時にタイヤ交換をすれば楽に逆転ができる距離だった。

 トップの65号車メルセデスは50周目にピットインして、タイヤを4本とも交換。その脇を堤が通過してトップに立つことになった。14.3秒差の2位は昨年のチャンピオンカーであり、タイヤ交換をしなかった52号車スープラ。65号車メルセデスはその11.6秒後方でコースに戻った。52号車スープラのタイヤのグリップが落ち始めるなか、堤はタイヤマネジメントを心がけながら周回を重ねていった。

 61周目に6位争いのグループで接触からスピンし動けなく車両があり、ここでSCが導入されることになると、堤と後続との差は一気に詰まることになるが、幸いにも全車速度が80km/hに規制されるFCY(フルコースイエロー)となり、その差を保つことができた。2分ほどでFCYは解除となり、65周目にフレッシュタイヤに交換した65号メルセデスが52号車スープラをかわして2位へ浮上してきたが、堤との差は17秒ほどもあった。

 残りの11周は堤が慎重に走り、最後はペースを落としたこともあり4秒895差で歓喜のトップチェッカー。平良はGT初優勝、堤は一昨年の第6戦SUGO以来の3勝目を挙げた。昨年は2位を3回記録するもののなかなか勝ちに恵まれなかったが、開幕戦で逆転優勝を遂げタイトル獲得のための幸先良いスタートを切ることができた。

 次の第2戦は5月3〜4日に富士スピードウェイにおいて3時間レースとして開催予定。

muta Racing GR86 GT
2024スーパーGT第1戦岡山 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)

堤優威

「優勝は非常にうれしく思います。去年は2位を3回はあったものの勝てませんでした。開幕戦で勝てたというのは良かったと思います。今回はタイヤ無交換でしたが、乗っていてもきつく、同じタイヤで同じ無交換作戦だった52号車を目安にしていましたが、どうやれば速く走れるのかを試しながら走りました。隙を見せないように走りましたのでとても疲れました。次は重くなりますが、シリーズタイトルが獲れるように頑張りたいと思います」

平良響

「初優勝は非常にうれしいです。去年は悔しい2位を何度も経験し、今年こそというシーズンでしたが、優勝で始めるシーズンになり、流れが良いと思います。トップを走るメルセデスに離されないようにしながら、無交換作戦ということでタイヤを痛めないようにして堤選手にバトンパスができるかなという感じでした。先頭が後方の集団に引っかかったタイミングでピットに入れたのは良かったです。チームとの連帯もうまくいき、僕の判断も良かったのかなと思います」

加藤寛規監督

「ピットのタイミングをどこにするかでタイヤをどうするかとかあったのですが、ペースも速かったですし、65号車が遅い集団に詰まったので、ピットインしようと決断しました。早くピットインするとセーフティカーが入った場合、タイヤ交換した車両に追いつかれるわけでそれが怖かったのですが、運にも恵まれた優勝でした。一番速いクルマではなかったですが、チーム一丸となって取れた優勝ですね。これでドライバーもプレッシャーから解放されたでしょうが、手綱を緩めず戦っていきます」

堤優威/平良響(muta Racing GR86 GT)
2024スーパーGT第1戦岡山 堤優威/平良響(muta Racing GR86 GT)


関連のニュース