レース終盤に差し掛かった53周目、2コーナーでFerrari 488 GT3とスタート前のトラブルを修復し、レースに復帰していたEPSON NSX−GTが接触。コントロールを失ったフェラーリGT3はフロントから2コーナーアウトのコンクリートウォールにクラッシュ。フロントを大破してストップしたため、レース3度目のセーフティカー導入となる。
62周目からレースが再開し、ここぞとばかりにローリングスタートでトップ6台のレクサスがそれぞれ順位を争うが、ここでは順位変動はならず。63周目のバックエンド、ヘアピンの進入でKeePerの平川亮がタイヤをロックさせてスモークを上げ、そこにWAKO’Sのカルダレッリが並び掛かるが、平川はブロック。トップを死守する。
トップのKeePer平川は終盤、危なげなく2番手との間隔をキープして、過去2年連続PPを獲得した得意の岡山で今季のGT500最初のトップチェッカー。レクサス陣営は参戦する6台が目標だった開幕戦で1~6位を独占。新時代のGT500で、ライバルを圧倒していることを証明した。
レクサスLC500の速さと強さが際だった一方、心配なのがホンダとニッサンの2メーカー。ニッサンは最上位にMOTUL AUTECH GT−Rが7位に入ったものの、上位争いにはまったく絡めずモニターにもほとんど映らない結果に。ホンダはスタート直後のコース上で4台が次々とストップし、レースの進行を妨げるようなトラブルを起こしてしまった。
スーパーGTは国内最高峰だけでなく、DTMドイツツーリングカー選手権とのコラボレーションを含め、これから世界のGTレースを牽引するカテゴリーへと飛躍を期待されているカテゴリー。開幕戦ではレクサス陣営内の素晴らしいバトルが行われたものの、日本を代表するGT500、3メーカーの戦いがトラブルやアクシデントで決まってしまうのは悲しい。
GT500はやはり、3メーカーのクルマがコース上で争ってこそ。新規定で新時代を迎えたGT500はクルマ、レース内容、そしてドライバーともに、世界にそのクオリティの高さを証明するカテゴリーであってほしいと願うばかりだ。