戦略的に焦点となるのが、ホンダとして『チームプレー』を行うかどうかだ。前回のオートポリス戦ではトムスチームのトップ争いになり、トップを走行していた36号車au TOM’S LC500が、2番手1号車KeePer TOM’S LC500と順位が代わり、KeePerが優勝したことで100号車RAYBRIGと1号車KeePerが67ポイントの同ポイントでランキングトップに並んだ。
スーパーGTのレギュレーションではチームオーダーは禁止されていないものの、ペナルティ対象となる可能性が明記されている。メーカーバトルでもあるスーパーGT500クラスの戦いでは、最後には『チームプレー』がタイトル獲得へ必要な戦略になる場合がある。だが、山本MS部長はその『チームプレー』を明確に否定した。
「100号車と1号車の一騎打ちになるでしょうけど、トヨタは総力戦で来るでしょうね。チームプレーはあると思っています。ホンダ陣営としましては、ガチンコで予選から各チーム、ガンガン行かせます。小細工してうまくいくようなチームプレーは、ホンダ陣営には臨めないでしょう(苦笑)」
山本部長としては、100号車以外のNSXが優勝することも大歓迎だ。
「基本はガチンコで、予選ではトップ5中、4台ホンダが入るように指示は出しました。まず、予選のフロントロウをホンダ陣営でしっかりと占めたい。もちろん、100号車以外のチームが勝ってもいい。大事なのは100号車が1号車の前でフィニッシュすること」
ホンダ陣営としては2010年以来、GT500クラスではタイトルから遠ざかっている。
「この8年間、何をしていたのかという思い。ホンダとしては初めてのダブルチャンピオン、なんとしても狙いたい」と、タイトル獲得への意欲を改めて強調した山本MS部長。
前回のオートポリスでは予選で上位を独占しながらも、タイヤのピックアップ(タイヤかすが取れずに表面に付着してグリップダウンを招く症状)が起きて、決勝では大きく順位を下げた。マシンの速さはあるものの、タイヤとのマッチング、ピックアップがもてぎでも課題となりそうだ。