2019年は初秋の9月に開催カレンダーを移したオートポリスでのスーパーGT第6戦は、天候に翻弄される大波乱のレース展開となり、5番グリッドスタートのDENSO KOBELCO SARD LC500のヘイキ・コバライネン/中山雄一組が今季初優勝。中山はGT500昇格ルーキーイヤーでの初勝利を手にした。
昨季は10月開催の第7戦シーズン天王山として開催されたオートポリスは、2019年は第6戦へ移動。積算ウエイトハンデ(WH)をフルに搭載する最後のラウンドとなり、予選ではその序列が如実に反映される展開となった。
ここまで2連勝を挙げランキング首位、数値上は120kgのWHを課されているWAKO’S 4CR LC500は予選14番手に沈み、17号車KEIHIN NSX-GT、8号車ARTA NSX-GTのホンダ勢がフロントロウを占拠。セカンドロウにはニッサン陣営最上位でWH28kgのリアライズコーポレーション ADVAN GT-R、同WH48kgのレクサス、au TOM’S LC500が並んだ。
土曜予選後に夕立のあった大分県日田市の阿蘇地域一帯は、昨日までの台風13号が残した影響や続く台風15号の接近で午後からの降雨が予想されるなか、11時55分からの決勝前ウォームアップ走行はなんとかドライのままスタート。このセッションでは12号車カルソニック IMPUL GT-Rのジェームス・ロシターが予選終了後に急病を発症したため、現地入りしていた千代勝正が急遽代役でステアリングを握った。
そんな普段とは違う流れが他車にも伝播したか、ニッサンのエースカーであるMOTUL AUTECH GT-Rを走らせるロニー・クインタレッリが20分のセッション序盤にコースオフを喫し、ピットでのマシン確認のため貴重な走行時間を失うと、残り3分のところでポールシッターのKEIHIN NSX-GTがコースサイドにマシンを止めるまさかのトラブルが発生。これで赤旗も出るなど、天候を含め決勝を前にして大波乱を予感させた。
その後、オンタイムでのスタート進行を経て14時30分にパレードラップがスタート。マシン回収からグリッドへの試走に間に合った17号車、塚越広大が最前列からARTA伊沢拓也と並びサイド・バイ・サイドでドライ路面の1コーナーへ飛び込み、リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rのヤン・マーデンボロー、au TOM’S LC500中嶋一貴が続いていく。
各車、タイヤのライフに気を使いながらも、気温27度、路面温度33度のコンディションの中、首位を守った塚越はオープニングラップだけで2秒299のギャップを築いてみせる。
しかしその直後、セクター3に入った複合コーナー入り口でRAYBRIG NSX-GTの山本尚貴がフロントからバリアに衝突している映像が飛び込んでくる。これでセーフティカー(SC)導入が宣言され、いきなりの仕切り直しとなる。
7周目にリジュームとなったレースは、ウェービングを見せてホームストレートを通過したKEIHINの塚越が1分36秒679のファステストを記録して逃げを打つ。12周目には12号車カルソニック IMPUL GT-Rが登録ドライバーの交代による10秒のピットストップペナルティ消化のためピットロードへ。その間に、GT300のバックマーカー処理を絡めた24号車リアライズのヤン・マーデンボローがARTAの伊沢拓也を仕留めて2番手に浮上する。