レクサス陣営としては、この3年間、ホームの富士で勝ち星がない。この3年間の富士の6戦でGT-Rが5勝を挙げて富士での覇権を制している。「来年は、LC500でその覇権を奪還します」と力強く宣言するTRD佐々木エンジニア。「この富士での明るい兆しは見えました。いい感触はあります」と、来季の巻き返しを宣言した。
一方、現行規定で圧倒的な強さを見せるニッサンGT-R。今季で3連覇を達成するかという強さを支えているひとつには、間違いなく、この富士でのロードラッグ仕様の圧倒的なパフォーマンスが挙げられる。来季はそのロードラッグ仕様の空力が使えなくなるが、GT-Rのアドバンテージは保てるのだろうか。2017年型GT-Rの車両開発を兼任するニスモの鈴木豊監督が答える。
「今回の富士では前回のオートポリスから若干、クルマを変えています。最初は合わせ込みに時間がかかって戸惑いもありましたけど、順調に進めることができました。初日の走行ではフロアを擦ることもありましたが、いろいろアイテムを試して大きくセットアップを振って、その効果、方向性も見えて有意義なテストになりました。(この富士での強さは)なんとかキープしたいですね。今までの富士仕様がなくなって、そこに2017年車両のセットアップを合わせ込んで、さらに他のサーキットでも適用できるようなバランス感が難しいところです」と、来季型マシンの開発のポイントを語った鈴木監督。
現行規定のこの3年間を実質、圧倒的なパフォーマンスで支配したGT-R。新規定となる2017年型車両で、ライバルメーカーがどう立ち向かうのか。クルマの開発だけでなく、開発の進め方にも新しい試みが見えている。