MCL「ペースを維持していけ。かなりギリギリだ……」
残り10秒で最後のシケインにアプローチ。最終コーナーを立ち上がって、コントロールラインを通過するのとシグナルが赤に変わるのはほぼ同時に見えた。
ピットガレージでは一瞬、間に合わなかったかという落胆の空気になった。実はサーキット内のモニターに表示される国際映像はデジタル処理のために実際よりも1秒ほどのタイムラグがあり、遅れのないタイミングモニターのカウントダウン表示がゼロになるよりも後にコントロールラインを越えたように見えたからだ。
しかし実際には、アロンソはセッションが終わる寸前にコントロールラインを通過していた。コントロールライン通過順にタイムが表示されるタイミングモニターのページ2には、確かにアロンソがチェッカードフラッグの掲示よりも先に通過していたことが表示されていた。
ALO「間に合ったと思う。だけど実際どうだったか教えてくれ。0.5秒くらい早かったと思う」
MCL「あぁ、大丈夫だフェルナンド。アタックし続けろ」
難しいコンディションでマシンをコントロールしながらも、アロンソは無線でチームに確認を取り、テンプルは間に合っていたことを伝えた。
そして今度はルフィールドもコプスも完璧な走りでタイムアタックをまとめ上げ、フェルスタッペンのインターミディエイトのタイムを1.314秒上回って“Q1のポールポジション”を獲得してみせた。