【F1コラム：利権と闘争】ニューウェイ離脱ならレッドブルは崩壊へ。すべての原因はホーナーの巨大なエゴ

　F1での長いキャリアを経て、今は現場から離れた生活を送っているが、豊富な情報源を持つニック・リチャーズ氏のコラム。裏情報を知る彼が、F1の政治問題をテーマに、独自のシニカルな視点で時事に切り込む。

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　日本GPの翌日、夕食の最中に、「エイドリアン・ニューウェイがレッドブルを離脱する」というメッセージが届いた。ある政府機関で何年も訓練を受けたり、日本人の友人たちの不可解な行動を真似ることに何十年かを費やした経験を持つ私だが、このメッセージには驚いて大きな声を出してしまった。「食事中の携帯電話は禁止」というポリシーが破られたことを察知した妻は、機嫌を悪くし、Marchesi De’ Cordano Santinumi Riserva 2016の残りを飲み干した後、食後のコーヒーを待たずに席を立った。

　妻との間で平和を保ち、不必要な戦いを避けることを家庭内の目標として20年を過ごしてきたというのに、大きなミスを犯してしまった。そんな自分を恥じながらも、好奇心には勝てず、コーヒーとWhite Oak Akashi Single Cask Calvadosのグラスを書斎に持ってくるよう家政婦にお願いして、自分も書斎に急いだ。

　私はF1の世界からもう数十年遠ざかっているが、以前と変わらず優れたネットワークを維持している。そのため、この種の話題が、ファンやメディアが気付く数日、数週間、場合によっては数カ月も前に、私のもとに届くことは珍しくない。

　鈴鹿でホンダエンジンを搭載したレッドブルが再び圧倒的なパフォーマンスを見せた翌日の朝は、いつもどおり、日本の友人たちとの間で、お祝いと喜びのメッセージが飛び交った。だから、ミルトン・キーンズの旧友からのメッセージの通知を受けた時、喜びの言葉を予想しながらメッセージを開いたのだが、そこには冒頭の短い一文が表示されていたわけだ。びっくりした私は、彼がこの件について話をすることができると確認した上で、詳細を知るために電話をかけた。