スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアのモータースポーツコラム。プレシーズンテストでトラブルを繰り返したマクラーレン・ルノー。果たして問題はどこにあったのか。ホンダPUを使い続けていたらどうなっていただろうか。
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プレシーズンテストにおいて、コース上で起きたことを分析しようとすることは、非科学的なことだ。各チーム、自分たちのマシンでやっていることに集中しているおかげで、チームの序列についての情報は多くない。
それぞれのチームにより異なる燃料搭載量、異なるテストプログラムが行われており、何もはっきりしたことは分からない。各チームの調子はどうなのか、適切な評価を下すことはとても難しいことだ。
しかし、マシンの信頼性が予想外に低いことが判明した場合、何かがおかしいと見破ることは容易にできる。これがまさにマクラーレンに起きたことで、フェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンは落胆しているだろう。
マクラーレンが2018年からルノーのPUを使用することを発表したのは、昨年の9月のことだ。これで3年間マクラーレンを苦しめた信頼性の問題が消えるだろうと多くの人々が考えた。マクラーレンはホンダPUがしばしば不安定すぎると訴え、そう考えられていた。
それにも関わらず、2018年のバルセロナテストは異なる展開となった。ホンダPUは高い信頼性を見せていた一方で、マクラーレンはコースに出るよりも、ガレージ内で過ごすことの方が多かったのだ。一体なぜこのような逆転現象が起きてしまったのだろうか?
まず、トロロッソはテスト1週目でホンダPUをいくつか使用したとされているが、彼らはプレシーズンテストの前半で最も多くの周回数を走り込んだチームとなった。
もちろんこの状況はテストの後半では変わった。周回数は減り(部分的にはブレーキの問題であり、ホンダのせいではない)、走行の様子もそれほど目を引くものではなくなった。
マクラーレンにも変化が訪れていた。テスト1週目では多くの信頼性のトラブルに見舞われていたチームは……さらに多くのトラブルを抱えていたのだ。