(3)ディフューザーの最適化
F1マシンのダウンフォースは、そのほぼ半分がディフューザーから得られていると言われる。サイドポッド直下、フロアの前端(赤矢印)から入った空気は、ベンチュリ効果で流速を増し、その結果フロア下の気圧が急激に低下して、マシンを押し付ける効果を生む。さらにディフューザー出口が広がっていることで流速は緩み、そのためフロア下の気圧はいっそう低下するのである。
ディフューザーの役割は、いかに段階的に、コントロール可能な状態で流速を緩めるかにある。各チームの開発部門は、まさにそこに苦労しているわけである。
フェラーリの新ディフューザーは、インパクトストラクチャー下の中央部分(黄色矢印)が、より丸みを帯びている。そして両端の羽根部分(青矢印)にもカーブを持たせた。さらのデフレクターの切れ込み(橙色矢印)の切れ込みが深くなり、ボーテクスジェネレーター(白矢印)の数が5から7に増えている。