F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。今回は2019年F1第6戦モナコGPだ。
☆ セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
予選=17番手/決勝=12位
予選の戦闘力が9番手マシンで決勝は5つポジションアップ、入賞圏にはとどかなかったが健闘だ。ミディアムタイヤでスタート、11周目にハードタイヤの“手堅い”戦略を遂行。2016年のモナコGPで表彰台3位、2017年では最速ラップを記録したペレスは著しく戦闘力を欠いたレーシングポイントRP19でもしぶとい。
☆☆ ダニエル・リカルド(ルノー)
予選=7番手/決勝=9位
さすが昨年のモナコGPのPPウイナー。予選7番手の急上昇、大幅なセッティング変更が成功した。フロントのダウンフォースをいままでよりプラス方向に振り、リヤとバランスさせた効果がセクター3の4位に表れた。
序盤戦のルノーは、ずっとセットアップが難しく、各グランプリのセッションごとにペースが乱高下、それを今回うまく仕上げたのだ。ところがスタートで5番手に上がりながらチームが戦略を誤り、後方にポジションダウン。上位入賞チャンスを逸した。
☆☆ バルテリ・ボッタス(メルセデス)
予選=2番手/決勝=3位
二度きわどい場面があった。相手はどちらもフェルスタッペン。スタートから1コーナーでインに刺しこまれかけたが、ぎりぎり2位を守った。そして11周目、ピットレーンで接触→ホイール破損→パンク→再ピットイン→3位。ハミルトンも終盤にシケインで接触したが無傷、不運だったボッタス。
☆☆ シャルル・ルクレール(フェラーリ)
予選=16番手/決勝=リタイア
突撃するならラスカス、その狙いは分かる。モナコの子ならでは(!)。コース幅が意外に広くレコードラインはアウト寄りなのでリスキーだが、インを刺しに行った。しかし、ここは毎晩路上でパーティーがあり、ビールやフライドポテトの“デブリ?”が路面にこびりついた部分も(過去に歩いて実感)。
ヒュルケンベルグへの攻撃でスピン、リタイア。FP3での最速セクター2におけるアタックは完璧なラインワーク、予選4番手となったベッテルのセクタータイム以上だった。それだけに予選でメルセデスとのタイムバトルが十分に期待できた。チームのミスによる悔しすぎるQ1敗退。それはモナコ公アルベール二世閣下も同じ思いだったに違いない。