フェルスタッペンは前を走るランド・ノリス(マクラーレン)はすぐにかわしたが、バルテリ・ボッタス(メルセデス)を抜くことがなかなかできなかった。その理由のひとつにホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、日曜日に50℃以上になった路面温度が関係していると語った。
「路面温度が高くなったために、前のクルマに近づいたときの吸気温度が想定も高くなって、エンジンのパフォーマンスに影響が出ていたようです」
そのため、ピットから前車との距離を開けるように指示を出して吸気温度を下げては、再びアタックして、また吸気温度が上がるという繰り返しとなった。
それでもハードタイヤを選択して、最初のスティントをライバルたちよりも長くする作戦を採ったことで、前を走るドライバーがピットインした後は、本来のペースで走行。48周目にタイヤ交換し、ピットアウトした直後にルノー勢2台の後方に下がったものの、50周目にニコ・ヒュルケンベルグを、そして51周目にはダニエル・リカルドをあっさり料理して、5位でチェッカーフラッグを受けた。
「5位はだいたい予想通りのポジションだけど、もっと狙いたかった。僕らの週末じゃなかったということだ」(フェルスタッペン)
ルノー2台を逆転して5位を獲得したものの、「現実的に考えられる最大限の順位ですが、望んでいた結果かといわれれば、そうではありません」(田辺TD)
2週間前にメルセデスとテール・トゥ・ノーズの戦いをしたレッドブルに代わって、カナダGPでメルセデスと優勝争いを演じたのはフェラーリだった。優勝争いに加われなかった理由を田辺TDはこう語った。
「いろんな意味で力負けし、厳しい週末でした」