FIAのレースディレクターを務めるマイケル・マシは、決勝1周目のインシデントに関し、スチュワードは以前より厳しくペナルティをとる方針であると明かした。それはドライバーやチーム側の希望でもあるということだ。
第10戦イギリスGPでは、オープニングラップでライバルと接触したドライバーがペナルティを受けるケースが2件あった。
土曜日のスプリント予選では、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)とカルロス・サインツ(フェラーリ)のポジション争いのなかで接触が起き、ラッセルに責任ありと判断され、日曜決勝での3グリッド降格ペナルティを科された。一方日曜日のレースの1周目、ルイス・ハミルトン(メルセデス)との間で接触が起きたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がコースオフし、大クラッシュ。責任の大部分があるとの裁定を受けたハミルトンが、10秒ペナルティを受けた。
最近までスチュワードは、ドライバーたちに積極的にレースをさせるという方針のもと、1周目のインシデントは不問に付す場合も多かった。しかし今回マシが語ったところでは、チームとドライバー側が、レーススタート直後の監視を強めることに賛成したという。
「明確なポイントとしては、ドライバーにレースをさせるという方針の下で、レースの1周目はそれ以降に比べてはるかに大目に見られている。それについて疑いの余地はない」とマシは語った。
「そしてドライバーに自身のバランスを見つけさせようとしている」
「だが、昨年の終わりから、ドライバーたちと各チームは、こうはっきり言った。昨年は相手に対してプッシュしすぎていたと感じ、少し控えめにする必要があると、そう言ったのだ」
より厳しい監視は、最初の数コーナーだけではなく、1周目全体について行われていると、マシは明かした。
「1周目で何が起きているか見る必要がある」とマシは付け加えた。「それはターン1になるかもしれないし、ターン6になるかもしれない。コースの性質によって異なる」
イギリスGPでのハミルトンとフェルスタッペンの衝突についてふたたび言及したマシは、スチュワードがどのようにこのインシデントに取り組んだかについて、改めて説明した。
「このインシデントには明らかに2台のマシンが関与している。今年の初め、すべてのドライバーが、2台のマシンが関与しているインシデントについて、こう主張していた。どちらかが大部分について、もしくは全面的に責めを受ける場合は、たとえ1周目でも詳細を見るべきだ、とね」
「詳しくインシデントを調査した結果、彼ら(スチュワード)はハミルトンに主な責任があると考えたのだと思う」
「多くの部分はその後シャルル(・ルクレール)に起きたことと似ている。彼はエイペックスに向かうなかで、もう少しイン側に寄ることができただろう。彼らはそのように理解した。レギュレーションに従って明確な表現がなされていたと思う。彼に主に責任があったという表現だ」
「彼が全面的に悪いとはみなされていない。大部分の責任があるという判断だ。彼がもっと反対側に寄ることができた可能性があるとみなされた」