また、ハンガリーGPでは予選のQ3の最後のアタック中にアロンソがスピンを喫してコース上に停止。そのため、黄旗振動状態となったが、ニコ・ロズベルグが自己ベストを更新してポールポジションを獲得。ロズベルグは「該当区間では減速していた」とし、FIAもそのデータを確認したため、ロズベルグのポールポジションが確定。そのため、大きく減速したドライバーたちから不満が続出した。
そもそもレギュレーションでは黄旗振動に関して“ただちに停止できる速度”となっているだけで、具体的な速度が定められていないため、減速方法はドライバーによってまちまちだった。
FIAはハンガリーGPで起きた事態を重く受け止め、続くドイツGPから「予選中に黄旗振動のケースが発生した場合は、一律に赤旗を出す」ことにしていた。しかし、その後、FIAは「もし予選中に黄旗振動の区間に出くわしたら、ただちにアタックを中断すること」に変更。
安全性に関するこの変更自体には多くの賛同を得ていたFIAだが、2016年はさまざまなルールが二転三転したという事実はまぬがれない。スポーツにはルールは不可欠だが、ルールは複雑になればなるほど、ファンの興味は薄れていくことを忘れてはならない。