BTCCイギリス・ツーリングカー選手権の第4戦が6月8~10日にオールトンパークで開催され、予選とレース1で伏兵のマット・シンプソン(ホンダ・シビック・タイプR)が躍進を見せるなか、続くレース2、レース3で常勝軍団が覚醒。ウエスト・サリー・レーシング(WSR)のコリン・ターキントン(BMW125i Mスポーツ)が今季初優勝を決め、選手権首位に浮上した。
フリープラクティスでのトップタイムマークでパドックを驚かせたユーロテック・レーシングのシンプソンは、その余韻も冷めやらぬまま予選で自身初のBTCCポールポジションを獲得。
昨季チーム・ダイナミクスの3台目としてルーキーイヤーを過ごし、今季はユーロテックに移籍し、引き続き自身が代表を務める企業のオリジナルカラーをまとったシビックを走らせているこのジェントルメンドライバーは、ここまでの3戦で予選トップ10入りは開幕戦ブランズハッチの1回のみながら、このオールトンパークで後続にコンマ2秒の差をつける理想的なアタックを披露してみせた。
「ポールを獲得できるなんて”メガ・フィーリング”だよ。セッションが始まってからは1分25秒6前後がトップタイムになるだろうと思っていた。1分25秒750が出たのを見たときは『悪くないタイムだ』とは思ったけど、他にバラストを載せていないドライバーたちが続いてくると予想していたんだ」と、振り返ったシンプソン。
「(ルーキーだった)昨年の予選タイムは26秒9だから、僕自身は大きなインプルーブを成し遂げたといえるね。それが最高にうれしいんだ」
そのシンプソンはレース1スタートでも見事にホールショットを決め、フロントロウに並んだサム・トルドフ(フォード・フォーカスRS)、3番グリッドのトム・チルトン(フォード・フォーカスRS)のモーターベース・パフォーマンス軍団を抑えることに成功すると、そのまま15ラップを走りきりBTCC初優勝をマーク。スタートでチームメイトを逆転したチルトンが2位、トルドフをかわしたWSRのアンドリュー・ジョーダン(BMW125i Mスポーツ)が3位に入った。
しかし同日の午後14時50分スタートとなるレース2を前に、引き続きポールシッターとなるはずだった勝者シンプソンのマシンを異変が襲い、チームはエンジンの換装を決断。これでチルトンが実質先頭スタートで始まったレースは、3番手ジョーダン以下、虎視眈眈と上位進出を狙っていたWSRのBMW軍団が躍進する展開となる。
チルトン、ジョーダンがパックを引っ張る形となったオープニングラップは、後続集団でいくつかのアクシデントが発生。チーム・ダイナミクスのルーキー、ダン・カミッシュ(FK8ホンダ・シビック・タイプR)が他車に弾かれる形でコースオフを喫すると、なんとかマシンを立て直してロスを最小限に抑えてコースに復帰。