レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

F1ニュース

投稿日: 2014.12.26 00:00
更新日: 2018.02.17 05:07

【F1うんちく講座】新PUで変わった現場の裏事情


 F1速報モバイルサイトで好評連載中F1うんちく講座。今回オフシーズン計5回の限定コラムとして、虎之介選手、一貴選手、可夢偉選手の元マネージャー有松さんにF1界の気になる裏事情を解説して頂きました!

第5回:新PUで変わったサーキット現場の裏事情

 今年は、これまでのV8+KERSに代わり、完全に新しいV6DI(ガソリン直噴エンジン)とERS-K及びERS-Hで構成される“パワーユニット”を搭載したF1となったのは周知の通りです。

 このパワーユニット導入、具体的に現場ではどんな変化があったのか。先日の日本GPにおいて、かつての同僚たちと話す機会があったので聞いてみました。
 最初に出てきた言葉は「なにより、走らせる側の人間が減ったのがツライね」という言葉でした。コストキャップの一環である1チーム/60名の現場スタッフの上限は以前通りなのですが、このうちPUに携わる人員が増えて、シャシー側の人員が減ったことが、今年のチームスタッフにとって大きな変更となったのです。

 V8+KERS時代に比べて、PUのメンテナンスが飛躍的に複雑化したため、エンジンサプライヤー側のエンジンメカニックや制御スタッフを増やさざるを得ず、その影響でチーム側のシャシー担当スタッフの人数が減り、その負担が増えました。カーフュー(作業禁止時間帯)は以前のままなので、データエンジニアの負担が増え、メカニックのジョブ範囲も増えたのです。特にレースエンジニアは「V8時代でも十分に忙しかったのに、新しいPUになって人は減るし、さらに忙しくなった。本当に食事の時間もロクにない……」とため息をついていました。