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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2023.07.26 12:18
更新日: 2023.07.26 12:19

エストニアからTGR-WRTメンバーも参加。ラリージャパン2023に向けて基礎・最新情報を学ぶ勉強会が開催

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ラリー/WRC | エストニアからTGR-WRTメンバーも参加。ラリージャパン2023に向けて基礎・最新情報を学ぶ勉強会が開催

 7月24日、2023年WRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2023』の開催に向け、ラリージャパン2023実行委員会がWRCやラリージャパンの基礎知識を学ぶメディア向けの勉強会を開催。11月の本戦を控え最新情報なども明らかとなった。

 2023年も11月16日(木)から11月19日(日)まで、昨年と同じく愛知県と岐阜県を舞台に競技が行われるラリージャパン。6月には名古屋市内でPRイベントが行われ、同時に開催概要も発表されるなど、2年目の開催に向けて着々と準備が進められている。

 今回メディア向けに行われたラリージャパン勉強会では、まず実行委員会事務局から、改めてラリージャパンが目指す『競技者、観戦者すべての人にとって安全・安心な大会』『ラリーファン、モータースポーツファン目線の大会』『未来へつなぐサスティナブルな大会』という3つのテーマが説明された。

 そのほかにもラリージャパンを開催する意義として『市民の誇り』『山間部の振興』『産業の振興』『交通安全の推進』『青少年の健全育成』『SDGsの推進』という6つの言葉が掲げられた。そしてラリージャパン2023の大会コンセプトは「ENJOY! RALLY JAPAN』となり、観戦に訪れるファン、競技に参加するチーム、開催地の人々、そして環境のことを考えた大会を目指すとしている。

 競技コース(スペシャルステージ:SS)については、すでに6月のPRイベントで概要が発表されたとおり、今年は新たに愛知県豊田市にある豊田スタジアム内に特設コースが設置され“スーパーSS(SSS)”が行われるほか、岡崎市中央総合公園にも特設コースが設置される予定だ。なお、豊田スタジアム2階自由席については昨年の大人7000円から4000円にチケット価格を下げ、コアファンのみならずライト層も足を運びやすくしているという。

ラリージャパン2023実行委員会が公開している豊田スタジアムSSのイメージパース
ラリージャパン2023実行委員会が公開している豊田スタジアムSSのイメージパース

 その後は競技事務局の高橋浩司氏からWRC大会の基本構成について説明が行われ、ラリージャパンが他のWRCイベントと異なる点として、通常“レッキ”と呼ばれる下見走行がラリーウイークの火曜日と水曜日に行われるが、11月のラリージャパンでは日照時間の関係などで月曜日も加えた3日間でレッキが実施されることも説明された。

 また、通常のWRC大会はSSの競技区間が300~350kmで争われるのだが、2022年のラリージャパンではさまざまな影響によりトータル283.27kmでの競技となった。これについてはFIA国際自動車連盟に特認申請を行ったことで問題はないものの、2023年に向けてはSS数を昨年の19から22に増やし、300km以上の距離を確保して競技ができるように調整中とのことだ。

 そのSSについては7月時点での概要も明らかにされ、2022年大会のコースが「変化に富んだ、非常にチャレンジングなスペシャルステージ。もっとも曲がりくねった山岳ステージは選手権のなかでもっとも低速」と評価されたことを受け、2023年大会では、山間部SSの多くは昨年のコースをベースに一部の変更が行われる。SS総距離は300km以上を目指し設計し直されるほか、リエゾン(SSとSSや、サービスパークとSSを結ぶ移動区間)を含む総走行距離は950km以上とされた。

 さらにラリージャパンでは環境対策にも力を入れており、FIA環境認定3つ星を獲得するためにさまざまな施策が行われている。具体的にはエントラントに対し『土壌汚染防止の施策:マット、トレイ設置など』『水の無駄のない使用』『廃棄物の分別』を呼びかけているほか、コースマーシャルのタバード素材を化学繊維から不織布にするなど“脱プラスチック”化も実施されている。

 またラリーということで山間部で競技が行われることになるが、ラリージャパンでは毎年7月に“自然環境調査”としてSS実施地域の生態系調査を行い、絶滅危惧種などが存在していないか、ラリー開催による動物への影響なども調査を実施している。

 そして、2022年のラリージャパンで大きな問題となった“一般車両のコース誤進入”については、今季の大会ではクルマが通過する場所には物理的なブロックやマーシャルを配置するなどの対策が取られる予定になっており、これによりマーシャルの人員は1000人以上となり、昨年よりも増加する予定だ。なお、高橋氏によると、豊田スタジアムでのスーパーSSの距離はまだ調整中ながらおよそ1kmで計画され、2023年のラリージャパンも「基本的にはターマック(舗装路)ラリー」となることが語られた。

2023年のラリージャパンも「他のラリーでは見られないような日本ならではの風景」でのWRC開催が目指されている
2023年のラリージャパンも「他のラリーでは見られないような日本ならではの風景」でのWRC開催が目指されている
2023年もラリージャパンのメインエリアとなる豊田スタジアム
2023年もラリージャパンのメインエリアとなる豊田スタジアム

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