ワン・ツー体制のままレース終盤を迎えたMSRだったが、チェッカーまで1時間を切った直後にアクシデントが発生。2番手を走る86号車NSXのシーガルが、コーナーのアウト側からオーバーテイクを図ったPクラスの52号車オレカ07・ギブソンと接触。52号車オレカはコース外に弾かれスピンしてしまう。
86号車NSXはコースに留まったものの、その後シーガルが左フロントサスペンションに異変を感じ、チェッカーまで残り35分というタイミングでマシンをコース脇に停めてしまった。
86号車NSXのストップによってこのレース5回目のFCYが出されると、クラス首位を走る93号車NSXが築いたギャップは消滅。リスタート後は2番手につけるスクーデリア・コルサの63号車フェラーリ488 GT3の猛追を受けることとなったが、ラリーは0.592秒差でこれを振り切りトップチェッカーを受け、GTDクラス2連勝を達成した。
週末とおして速さをみせたラリーは「ホームトラックのワトキンスグレンで行われるレースは、僕にとってとても重要な一戦なんだ。キャサリン(・レッグ)のトリプルスティントが本当にうまくいったよ」とレースを振り返った。
また、チームメイトのレッグは「私のスティントはとてもうまく始まりました」とコメント。
「Pクラスを抜かせるためにラインを外すと、すぐにピックアップがひどくなり、タイヤをきれいにするまでは信じられないほどの振動が続きました。しかし、良い形でアンディ(・ラリー)につなぐことができ、素晴らしい1日になりました」
ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)のスティーブ・エリクセンCOOは「GTDクラスで初めてNSX GT3がポールポジションを獲得し、レースでは93号車が勝利を収めた」と語った。
「今回の勝利でNSX GT3があらゆるタイプのサーキットで競争力のあるプラットフォームであることを証明されたと思う。アキュラにとって素晴らしい週末になったよ」
WSCCの次戦は7月7~9日、第7戦モスポートがカナダのボーマンビルで行われる。