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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2018.01.31 09:18
更新日: 2018.01.31 11:36

IMSA:不運もタイトルを争える実力をみせたアキュラARX-05。カストロネベスも次戦に期待

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ル・マン/WEC | IMSA:不運もタイトルを争える実力をみせたアキュラARX-05。カストロネベスも次戦に期待

 7号車は、レースが日曜に入ってゴールまで8時間と少しという頃に切られたリスタート直後、キャディラック31号車にヒットされてラジエターを破損、水漏れ修復のためにガレージで長時間の作業を余儀無くされ、7号車も優勝のチャンスを失った。最終結果は9位と10位。揃って完走を果たした。今シーズンの多くのレースで活躍することが確信できるパフォーマンスと言えた。

 アキュラが戦線から消えると、もう残りはゴールまでのサバイバルになった。ワン・ツー体制でレースを引っ張るアクション・エクスプレス・レーシングのキャデラック2台は優勝に向かって周回を重ねるだけでよかった。

 しかし、彼ら2台はオーバーヒートに悩まされていた。どちらもガレージで水を補給したほどで、ペースはガクッと落ちた。もしアキュラが1台でトップ争いに生き残っていたら、ハイペースで戦い続けることを強いられ、彼らはゴールまで走り切れなかった可能性が強い。

「31号車と接触したが、彼はスピンをしたことでぶつかってきてしまったんだと思う。そう思いたい」と7号車アキュラに乗っていたエリオ・カストロネベスは語った。

 実際、31号者キャデラックのステアリングを握っていたフィリペ・ナッサは、「(他車に)追突されてイン側に巻き込むようなスピンに陥って、アキュラにぶつかってしまった」と状況を説明していた。

 ゴール後のカストロネベスは、「アキュラ・チーム・ペンスキーはデビュー戦から速さを見せた。トラブルで優勝のチャンスは逃したけれど、24時間の耐久レースを走り切った。ARX-05には勝てる力が備わっている。次のレース、セブリング12時間が楽しみだ」と話した。

決勝レースでのハイペースを見せたアキュラARX-05

 過去2回、プロトタイプのプロジェクトはあったものの、アキュラは新規参戦メーカー。キャデラックは昨年から参戦しているだけでなく、プロトタイプでもGTでも長年参戦を続けて来ているアメリカを代表する自動車メーカー=GMの高級ブランドだ。技術力、資金力、政治力を持ち、勝つための体制作りも巧み。チームもドライバーも耐久レースにおける経験値が高く、アキュラがそうそう簡単に勝てる相手ではない。

 しかし、デイトナで彼らが披露した実力は非常に高く、デビューシーズンの優勝は十分考えられる。取りこぼしをせず、キャディラック陣営が星の潰し合いを行う事態が重なれば、アキュラがシリーズタイトルを獲得することも可能だろう。

 次のレースは3月半ば、同じフロリダ州のセブリングで行われる12時間レースだ。時間はデイトナの半分だが、とてもバンピーな高速コースでマシンやドライバーにかかる負担はデイトナ以上。時期的(3月中旬)、地理的(150マイルほど南)にコンディションは暑くなり、エンジン、ドライバーに過酷だ。

 歴史がデイトナより長く、アメリカのレース界ではデイトナ以上にステイタスが高いのがセブリング。ここでアキュラの初勝利はなるだろうか? ペンスキーとしても、近年のデイトナは経験がなかったが、セブリングはポルシェのLMP2マシン=RSスパイダーを走らせていたのでデータもノウハウも十分にある。


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