ISMAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップは8月19日、アメリカ・バージニア州のバージニア・インターナショナル・レースウェイでGTル・マン(GTLM)とGTデイトナ(GTD)クラスによるシリーズ第10戦『ミシュランGTチャレンジ』が行なわれ、BMWチームRLLの25号車BMW M8 GTE(コナー・デ・フィリッピ/アレクサンダー・シムズ組)が総合優勝を果たした。
前日の雨まじりの予選から一転して、好天に恵まれた決勝には2クラス合計18台のGTカーが登場。現地時間13時05分に2時間40分で争われるレースがスタートすると、序盤はポールポジションを獲得したフォード・チップ・ガナッシ・レーシングの67号車フォードGTが、予選3番手から総合2番手に順位を上げてきた25号車BMWら数台を引き連れてレースを引っ張っていく。
ポールシッターのリチャード・ウエストブルックがドライブしトップを走るフォードGTは、1回目のルーティン・ピットタイミングまでその座を守るが、ドライバー交代を終えてコースに復帰したその周に駆動系トラブルが発生。そのままガレージエリアに姿を消してしまった。
そこから20分後の1時間10分過ぎ、今度は戦線離脱した67号車フォードに代わって首位に立っていたポルシェGTチームの911号車ポルシェがリヤから白煙を上げてストップしてしまう。このポルシェを回収するため、コース上には今レース唯一のフルコースイエロー(FCY)が導入されている。
約15分後にリスタートが切られた後は、FCY導入中に再給油を行なわずコース上にステイアウトした24号車BMWを先頭にコルベット・レーシングの3号車シボレー・コルベットC7.R、912号車ポルシェ、25号車BMWが隊列を組んで静かなバトルを繰り広げていく。
膠着状態に変化がみられたのはチェッカーまで残り1時間となった100分過ぎ。このタイミングで24号車BMWを含む多くのマシンが最後のピット作業を行なうなか、白地にMカラーを纏う25号車BMWはステイアウトを選択する。
2度のピット作業を終えた車両に対して40秒あまりのギャップを築いた25号車BMWはその後、さらにリードを広げていくと2時間15分過ぎにピットへ。この時点で暫定2番手の3号車コルベットとシムズ駆るトップのBMWの差は52秒。どちらが前に出るのかに注目が集まるなか、先に1コーナーに飛び込んだのはBMWだった。
2番手のコルベットと6秒差でアウトラップを終えたシムズは残り25分を危なげなく走りきり、第10戦のウイナーに。この瞬間、2018年1月のデイトナ24時間でレースデビューを飾ったM8 GTEが初優勝を達成した。
総合2位は、25号車BMWとのワン・ツー・フィニッシュを狙う24号車BMWの猛追をしのぎ切った3号車コルベット。もう一台のM8 GTEは2位に0.793秒届かなかったものの、3位表彰台を獲得しM8 GTEの初優勝にダブルポディウム獲得という華を添えている。