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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2023.04.22 11:56
更新日: 2023.04.25 01:15

新型ポルシェ911 GT3 Rに不具合発生。メーカー指示によりABSとTCSが一時使用停止に

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ル・マン/WEC | 新型ポルシェ911 GT3 Rに不具合発生。メーカー指示によりABSとTCSが一時使用停止に

 ポルシェはタイプ992型の911 GT3 Rで各カテゴリーのレースに参戦するチームに対し、ホイールスピード計測システムの不具合修正のため、追って通知がされるまでアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)とトラクション・コントロール・システム(TCS)を使用せずに走行するよう、通達を出した。

 ポルシェが2023年シーズンに向け新たに投入したタイプ992型のGT3車両は、4月22〜23日の週末、イタリアのモンツァで開催されるGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ/エンデュランス・カップ開幕戦と、ニュルブルクリンク24時間の予選レースを中心に、世界の複数の選手権に参戦している。

 Sportscar365に対し提供された声明のなかでポルシェは、チームは「追って通知があるまで、ふたつのドライバー補助システムなしで走行するよう」に指示している。その原因についてポルシェは、リヤホイールのスピードの不正確な測定により、ABSとTCSの両方の制御に問題があることが発覚したと説明している。

「ポルシェモータースポーツは、すべてのカスタマーチームとオーナーに、追って通知があるまで、すべてのポルシェ911 GT3R(タイプ992)の車両は、ABSおよびTCSがアクティブな状態で走らせてはならないことを伝えた」と声明には記されている。

「この背景には、ホイールスピード計測システムに確認された異常の分析作業が進行中であることがある。リヤホイールの(回転)スピードが誤って計測され、ABSおよびTSCの制御にエラーが発生する可能性がある」

 ポルシェは問題の解決策を特定し実装したが、両システムが再び使用できるようになるためには、新しいパーツの取り付けが必要である、と付け加えている。

 ポルシェの広報担当者は、新しいパーツの取り付け完了が確認できるまで、チームはシステムを作動させずに今週末のイベントに出場することを推奨していると述べた。

「ポルシェ・モータースポーツは、あらゆる状況下で正しいホイールスピード測定を確保するための、機械的な解決策に関して作業し、成功した」

「解決策のインストール後、ABSとTCSを含む車両の使用は、何ら制限のない状態へと戻る」

「今週末のモンツァでのGTWCヨーロッパ、ニュルブルクリンク24時間の予選レース、バルセロナでのミシュラン・ル・マン・カップへの出場車両に対する(対策)パーツの提供は、すでに実施されている」

「次なるイベントへの、さらなるパーツの実装は、現在計画中である」

4月15日、アメリカ・カリフォルニア州のロングビーチ市街地コースで行われたIMSA第3戦で走行するパフ・モータースポーツのポルシェ911 GT3 R
4月15日、アメリカ・カリフォルニア州のロングビーチ市街地コースで行われたIMSA第3戦で走行するパフ・モータースポーツのポルシェ911 GT3 R

 なお、GTWCのモンツァでは、ポルシェは水曜日にカスタマーチームに問題を通知し、木曜日には車両に解決策を盛り込んでおり、すでにABSとTCSがある状態で走行している。

 あるチームマネージャーは、この解決策を「ABSセンサーのアップデート」と表現している。

 また、別のチームマネージャーは、解決前の状態では、ブレーキング時にクルマが「予測不可能」な挙動を示すことがあったと述べている。ポルシェがレースウイークに先駆けて解決策を発見したことで、いくつかのチームがレースから撤退するのを防ぐことができたとみられる。


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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