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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2023.07.05 12:29
更新日: 2023.07.06 01:59

WEC、後半3戦のハイパーカーBoP発表。フェラーリ499Pはル・マンに続く重量増と出力減のWパンチ

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ル・マン/WEC | WEC、後半3戦のハイパーカーBoP発表。フェラーリ499Pはル・マンに続く重量増と出力減のWパンチ

 当初、ル・マン以前にいわゆる“プラットフォームBoP”の変更が行われる可能性があり、そこでLMHとLMDhという異なるふたつプラットフォーム間でパフォーマンス調整が行われことが予想されていた。また、プラットフォーム内での各車個別のBoPはル・マン後に調整される可能性があった。

 しかし、各プラットフォーム内での調整は24時間レースの“100周年記念大会”以前に適用されたため、トヨタを含む各メーカーは驚きを隠せなかった。

 FIAは声明で次のように述べている。「接戦が展開されたル・マンでは、5つ以上の異なるメーカーが異なるステージでレースをリードしていた。モンツァ6時間前のBoP調整は当初の計画の一部であり、シミュレーションとテレメトリーによるオントラックデータの相関関係を含む方法論に基づいている」

「ル・マン24時間レースで収集されたデータは分析され、それぞれのクルマの最適なパフォーマンスの可能性をよりよく理解することが可能になるように、シミュレーション・ツールと関連付けられている」

「今回の調整は、今シーズンのスケジュールに残っている3つのサーキット(モンツァ、富士スピードウェイ、バーレーン・インターナショナル・サーキット)にそれぞれ異なる値が割り当てられており、そこでは3つのレイアウトの特性が考慮されている」

■LMGTEアマクラスの変更は車両重量のみ

 ハイパーカークラスと同様に、BoPによってメーカーごとにパフォーマンスレベルが調整されているLMGTEアマクラスでは、第3戦スパ・フランコルシャンから第5戦モンツァまでの間に車両重量ベースに変化が見られた。

 フェラーリ488 GTEエボと、ル・マン24時間で優勝したシボレー・コルベットC8.Rは、ともに基本となる最低重量が10kg追加され、その上にサクセス・バラストが適用される。

 ポルシェ911 RSR-19とアストンマーティン・バンテージAMRは、スパから最低重量が変更されていない。ル・マンでのBoPはフランスのトラック固有のものであるため、同クラスのBoP変更についてはスパが基準となっている。

 サクセス・バラストは、直近2レースの結果とシリーズランキング上位3つのクルマに対して15kg、10kg、5kgが加算されるもの。ル・マンで優勝した63号車コルベットは、アップデートされたBoPによって1275kgとなった基本重量に前戦優勝分の15kg、スパ2位の10kg、ポイントリーダーの15kgを加えた1315kgの最低重量でモンツァに挑む。

 この他、ORT・バイ・TFスポーツの25号車アストンマーティン・バンテージAMRは25kg(10+5+10)相当のバラストを積み、第2戦スパを制した83号車フェラーリ488 GTEエボ(リシャール・ミル・AFコルセ)は15kgの重量増に。またアイアン・デイムスの85号車と、ル・マンでクラス3位となったGRレーシング86号車の両ポルシェ911 GT3 Rは5kg分のバラストを搭載する。

■LMGTEアマ メーカー別最低重量

・ポルシェ911 RSR-19 1269kg
・フェラーリ488 GTEエボ 1273kg
・シボレー・コルベットC8.R 1275kg
・アストンマーティン・バンテージAMR 1245kg

■ハイパーカーBoP(7月3日付)

第5戦モンツァ
プラットフォーム マシン 最低重量 最大出力 エネルギー量 前輪モーター作動速度
(ドライ/ウエット時)
LMDh キャデラックVシリーズ.R 1032kg(-14) 498kW(-15) 890MJ(-15)
LMH フェラーリ499P 1069kg(+5) 497kW(-12) 893MJ(-8) 190kph/190kph
LMH グリッケンハウス007 1030kg(±0) 520kW(±0) 916MJ(+3)
LMH プジョー9X8 1046kg(+4) 520kW(+4) 914MJ(+6) 150kph/150kph
LMDh ポルシェ963 1049kg(+1) 506kW(-10) 899MJ(-11)
LMH トヨタGR010ハイブリッド 1080kg(±0) 507kW(-5) 908MJ(±0) 190kph/190kph
LMH ヴァンウォール・
バンダーベル680
1030kg(±0) 520kW(+8) 913MJ(+12)
第6戦富士
LMDh キャデラックVシリーズ.R 1039kg(-7) 505kW(-8) 894MJ(-11)
LMH フェラーリ499P 1076kg(+12) 505kW(-4) 898MJ(-3) 190kph/190kph
LMH グリッケンハウス007 1030kg(±0) 520kW(±0) 905MJ(-8)
LMH プジョー9X8 1038kg(-4) 520kW(+4) 907MJ(-1) 135kph/150kph
LMDh ポルシェ963 1054kg(+6) 514kW(-2) 906MJ(-4)
LMH トヨタGR010ハイブリッド 1080kg(±0) 514kW(+2) 907MJ(-1) 190kph/190kph
LMH ヴァンウォール・
バンダーベル680
1030kg(±0) 520kW(+8) 903MJ(+2)
第7戦バーレーン
LMDh キャデラックVシリーズ.R 1037kg(-9) 504kW(-9) 895MJ(-10)
LMH フェラーリ499P 1075kg(+11) 505kW(-4) 901MJ(±0) 190kph/190kph
LMH グリッケンハウス007 1030kg(±0) 520kW(±0) 909MJ(-4)
LMH プジョー9X8 1041kg(-14) 520kW(+4) 908MJ(±0) 135kph/150kph
LMDh ポルシェ963 1053kg(+5) 514kW(-2) 909MJ(-1)
LMH トヨタGR010ハイブリッド 1080kg(±0) 514kW(+2) 912MJ(+4) 190kph/190kph
LMH ヴァンウォール・
バンダーベル680
1030kg(±0) 520kW(+8) 906MJ(+5)

コルベット・レーシングの3号車シボレー・コルベットC8.R
コルベット・レーシングの3号車シボレー・コルベットC8.R
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車ポルシェ963
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この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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