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投稿日: 2024.03.01 17:02
更新日: 2024.03.07 18:09

大湯が加入。「よく当たる」同世代ふたりが目指す“切磋琢磨”【2024全チームプレビュー/VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING】

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スーパーフォーミュラ | 大湯が加入。「よく当たる」同世代ふたりが目指す“切磋琢磨”【2024全チームプレビュー/VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING】

 いよいよ3月9〜10日に迫った2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕。前年王者こそ不在ではあるものの、FIA F2王者から“現役女子高生ドライバー”まで、話題の注目ルーキーが参戦するほか、メーカー・チームを移籍したドライバーも多い。また、共通ダンパーが導入されることなどにより、これまでの勢力図が動く予感も漂う注目のシーズンとなりそうだ。

 ここでは2月21〜22日に鈴鹿サーキットで開催された公式合同テストを前にした『メディアデー』でのドライバー・監督らの発言をもとに、今季体制の変更点や注目ポイントなどをチームごとにまとめ、連載していく。

 今回はメーカー移籍を果たした大湯都史樹が加わる、VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGだ。

■VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024年スーパーフォーミュラ参戦体制

・ドライバー:阪口晴南(No.38)/大湯都史樹(No.39)
・チームオーナー:卜部治久
・監督:立川祐路
・エンジニア:渡邊信太郎(No.38)/菅沼芳成(No.39)
・エンジン:トヨタ/TRD 01F

公式サイト:
https://www.inging.co.jp/formula/index.html

阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

■「チームの雰囲気もすごくいい」と新加入の大湯

 昨年いっぱいでスーパーGTのGT500クラスを引退した立川祐路監督が率いるセルモ・インギング。2024年からは、コンサルティング事業を展開する株式会社ベルテクス・パートナーズがメインスポンサーとなり、『VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING』として参戦する。

 昨年までドライブしていた坪井翔は、トムス陣営へと移籍。今年はホンダ陣営から新たに大湯都史樹が加入する。これまでも度々光る速さを見せてきた大湯とあって、チームへの注目度はさらに高まっている状況だ。

 立川監督も「彼の速さには期待しているところはありますし、晴南と同世代なので、競い合いながらチームとしてもどんどん前に出ていく戦いができたらなと思います」と期待を寄せている。

 大湯本人は「移籍をしていろんな環境が変わっている1年目のシーズンとなります。セルモ・インギングに来てチームの雰囲気もすごく良いですし、素晴らしい環境でやらさせてもらっているなと感じています。今年チームが変わったなかで、チャンピオンという目標というよりは、しっかりと自分の力を最初から出せるようにしたいなと思っています」と、例年になく落ち着いた様子でシーズンインを迎えようとしていた。

 一方、38号車にはチーム在籍4年目となる阪口晴南が乗る。「ここ2年ぐらいちょっと低迷してしまっていたので、それを脱却するために、個人的にもそうですし、チームの皆さんにもいろいろ取り組んでいただいています。新たな体制でゼッケンも変わりますし、今年はエンジニアも変わるので、新たな気持ちでチームメイトと切磋琢磨していきたいなと思っています」と阪口は意気込みを語った。

 なお、38号車のトラックエンジニアは各カテゴリーで活躍経験のある渡邊信太郎氏が担当する。

 阪口と大湯は年齢も1歳違いで、全日本F3選手権時代にはチームメイトとして戦ったこともある。開幕前公式テスト前日のメディアセッションでは、お互いを意識し合っている様子が伺えた。

 阪口は「SNSをうまく使って発信しているところは素晴らしいです。モータースポーツを盛り上げるために努力をしているのは、スゴイなと思います」と、大湯についての印象を語る。

「ハンドルを握っている時も速さはありますし、そこは近くにいると刺激的になる選手だなと思います。ただ、カートの時から“よく当たる”ので、今年ふたりで当たっちゃうと立川監督の顔が見れないので(苦笑)、そこはお互いに気をつけながら上位を目指したいですね」

 一方、大湯は阪口の印象について「……ちょっと一言余計かなと(笑)」と反論。それでも相手の実力を認めていることは確かで「阪口選手とはカートの頃から一緒にやっていますが、僕としては『ずっと上のドライバーだな』という感覚です。いまこうして同じ場所で戦えて、(阪口選手を)上回りたいと言う気持ちもありますし、一緒にやるからこそ切磋琢磨できる関係だと思うので、チームとして一丸となってやっていけたらなと思います」と語った。

阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

■立川祐路監督から見る、阪口の“立場の変化”

 そんなふたりのドライバーについて、立川監督はどんな印象を持っているのだろうか。

 まずは阪口について「初めてチームに来た時から速さがあり、良い結果も何回か出してくれました。その後、チーム体制もいろいろ変わっていく中で、ここ1~2年結果がついてこなかった部分があります。結果としては彼本来のパフォーマンスが出せていないところがありましたけど、今年はチームとしても本来のパフォーマンスを出せるように、それなりの順位で走れるようにエンジニア陣の体制もきちんと整えています」と立川監督。

「昨年までは坪井選手がいて、(晴南は)後輩というような立場でやってきたと思いますけど、今年は同世代のドライバーということで『負けたくない、負けられない』という想いがあると思います」と、阪口に対しての今季の変化や躍進を期待する。

 一方の大湯については「昨年末のテストから一緒にやるようになって、今年はGTのテストも一緒にいますけど、僕が知っている若手ドライバーの中でも、かなりしっかりとクルマのコメントをしてくれる選手です。すごく期待が持てます」と、その働きぶりに感心している様子だった。

「若干行き過ぎてやらかしてしまうことがあるというイメージもあるかもしれませんけど、ドライバーとして結果を早く出そうとしているなかで焦りが出てて、どんどんそういう(行き過ぎてしまう)方向に行くこともありますが、僕としては彼の実力は分かっているし、今年やるべき仕事を落ち着いてやってくれれば、結果は残ると思うので、期待しています」と、シーズンを通してしっかりと結果を残していきたいと言う考えを示した。

 同世代コンビのパワーが炸裂すれば、チームとしては2020年以来となる勝利も今季見られるかもしれない。

2018年の全日本F3選手権にTODA RACINGから参戦した大湯都史樹と阪口晴南
2018年の全日本F3選手権にTODA RACINGから参戦した大湯都史樹と阪口晴南


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