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投稿日: 2020.09.28 15:35
更新日: 2020.09.28 15:36

JMS P.MU/CERUMO・INGING 2020スーパーフォーミュラ第2戦岡山 レースレポート

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スーパーフォーミュラ | JMS P.MU/CERUMO・INGING 2020スーパーフォーミュラ第2戦岡山 レースレポート

 11周目、2番手の坪井がピットに向かった。チームは2台のクルマのうち、前を走っているクルマにピット作業を先に終える権利を与えている。今回は2番手にいた坪井が先にピットイン。続けて12周を終えるとトップの20号車がピットインし石浦がトップとなった。

 先にタイヤ交換を終えた坪井は、タイヤもあたたまりアウトラップの20号車をヘアピンでパス。8番手にあがり、ピットインを終えたグループでは事実上のトップとなった。

 ピット作業を終えてない38号車石浦は、コース上でトップ。石浦は、坪井とのマージンを広げることに務め、ここからはチーム内対決となった。ピット作業を終えトップで戻るには約33秒以上のマージンが欲しいところ。坪井は、各車がほぼピットインを終え19周目4番手、ここからピット作業未消化の上位3台を先頭に膠着状態が続く。

 30周を終えると石浦がピットへ向かう。8.7秒のタイヤ交換作業でピットアウトをすると、坪井の前でコースに復帰。オーバーテイクシステムを使用し防戦するも、アウトラップの石浦には坪井の勢いは止めることができず3位を譲り4位となり走行を続ける。事実上ワン・ツー体制で戦いは続く。

 ピットインを引っ張っていた上位のクルマ2台が48周、49周でピットに入ると、ついに坪井トップ、石浦2位のワンツー体制でチェッカー。坪井は、スーパーフォーミュラ2年目で初優勝を遂げた。石浦も久しぶりの2位表彰台獲得となった。

 昨年SF19にクルマが変わってから苦労をした1年。なかなか結果に結びつかずにいたが一気に花開いた。チームの地道な努力により最良の結果を導いたことは、チームの自信にも繋がった。もう秋になるとは言えシーズン序盤、引き続き一丸となって戦績を積み上げていきたい。

2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)

■コメント
#38 石浦宏明

「昨日の公式練習では、14番手と手応えはまったくありませんでした。昨日の夕方、自分のコメントからエンジニアがとても細かな、0.何ミリ単位のことの違いを、改善の可能性があるかもと探ってくれました。それが今日のQ1に影響し、そこを探してくれたエンジニアはスゴイと思います」

「ただクルマが予選にきっちりあったものであるかと言えばそうとは言えず、予選には弱さがあり決勝に強いクルマに合わせていきました。しかし自分のドライビングもSF19に合わせ切れてないと認識しています。本来Q3まで残れなさそうな雰囲気でいたクルマで、意地で残れたことが決勝の結果につながったと思っています。次の目標は、予選からきっちり詰めて結果を出したいです」

「決勝は、スタートで3番手にポジションをあげて、前の2台がピットに入ってからペースは良かったのですが、徐々に苦しくなってチームと無線でやり取りをしピットに入りました。ニック(キャシディ)選手のペースが良いので、バトルをするよりも2台で逃げてしまおうという作戦でした」

「良いペースで走れるクルマだったことに感謝です。SF19になってから、初めてワン・ツーを取れました。結果としてはまだ飛び抜けた速さにはなっていないので、ポールが争えるような速さにしていきたいです。3台クルマがあるのでそこはチーム全員でトライしたいと思います」

#39 坪井翔

「予選は調子が良かったので、これはポールもいけるのではと思いつつQ3までいきました。自己ベストで来ていたのですが、風が出てきたのか突発的にリヤが出てスピンしクラッシュしてしまいました。結構クルマを壊してしまい、開幕戦でもクルマを壊してしまったので、みんなに迷惑をかけてしまったと思って心が折れました。ここから立ち直るのは結構大変でした」

「なんとかひとつでもポジションを上げ決勝では無理せずいこうと思ったら、1コーナーでのアクシデントには巻き込まれず2番手になることができたので、無理してでも勝ちたいと思いました。レース中、クルマが速くトップだった平川選手をオーバーカットしたり、石浦選手を抜いたり、キャシディ選手がプッシュしているときに自分もプッシュしたりという決勝でやらなくてはいけない仕事をきっちりできたと思っています」

「チェッカーを受ける前、最終コーナーをまわったときは号泣していました。エンジニアからは、ここからがスタートだから泣くなと言われ、下げていたバイザーを上げて涙を堪えました。初優勝とてもうれしかったです。引き続き応援をよろしくお願いします」

立川祐路監督

「2台なので前にいる方にピットの優先権があり、戦略が分かれました。坪井を先に入れる形を取り、石浦は引っ張る作戦になりました。平川はうちの2台両方には対応できないので、坪井が入ったからピットに入ったと思います。それで石浦は前が開けました」

「あとは坪井と石浦のふたりの戦いになるので、各エンジニアに任せる形でした。どちらの作戦もうまくいくという理想的なレースだったと思います。こんなにうまくいくことも珍しいですね。決勝のペースもふたりとも良かったですし、今日の坪井は自分のチカラで勝ち取るうれしい勝利だったと思います」

「正直、今日優勝するとは思っていなかったですが、決勝に向けてクルマが戦える状態だったし、ふたりの速さもありました。昨年からクルマやタイヤが変わって苦戦をしていたので、これを機にチームのモチベ―ションもあがりましたし、またチャンピオン争いに加われるよう頑張りたいと思います」

2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 優勝した坪井翔と2位の石浦宏明、立川祐路監督(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 優勝した坪井翔と2位の石浦宏明、立川祐路監督(JMS P.MU/CERUMO・INGING)


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