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投稿日: 2023.04.09 22:57
更新日: 2023.04.10 13:25

P.MU/CERUMO・INGING 2023スーパーフォーミュラ第2戦富士 レースレポート

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スーパーフォーミュラ | P.MU/CERUMO・INGING 2023スーパーフォーミュラ第2戦富士 レースレポート

SUPER FORMULA 2023
P.MU/CERUMO・INGING
RACE REPORT
第2戦 富士スピードウェイ
 
2023年4月9日(日)予選・決勝
天候:晴れ 路面:ドライ
 
#38 坪井翔
予選:5番手 決勝:2位

#39 阪口晴南
予選:8番手 決勝:10位

 
 P.MU/CERUMO・INGINGにとって、予選までの好調さが一転し、悪夢のような展開となってしまった第1戦から一夜明け、富士スピードウェイでの開幕ラウンドは第2戦の予選・決勝日となる4月9日(日)を迎えた。

 第1戦では2周目に後方からヒットされリタイアしてしまった坪井翔だが、ダメージはそこまで大きくはなく、メカニックたちの奮闘により午後11時ごろには車両修復を完了。また第1戦はスタートでエンジンストールを喫してしまった阪口晴南も、前日の決勝で得られたものを活かすべく、快晴に恵まれ富士山が見守るなか迎えた第2戦の公式予選に臨んだ。

公式予選

4月9日(日) 09:00〜09:42
天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 坪井翔 1’21.731(Q2) /#39 阪口晴南 1’22.028(Q2)

 
 前日の公式予選よりも20分早い、午前9時からスタートした第2戦の公式予選。第1戦と異なり、この日は通常どおりのノックアウト形式で公式予選が行われた。気温10℃、路面温度20℃というコンディションのもとスタートしたQ1のA組に出走したのは坪井だ。

 まずはコースイン後、そのままピットに戻り、残り5分というタイミングでアタックに入る。車両修復もしっかりと成されており、5周目に記録したタイムは1分22秒633。坪井は見事4番手でQ2進出を果たした。

 続いて午前9時15分からスタートしたQ1のB組に出走したのは阪口。前日の予選から良い手ごたえを得ていたが、坪井同様コースイン後ピットへ。ふたたびコースに戻ると、5周目に一気に1分22秒057までタイムを縮めてみせ、2番手でQ2進出を果たした。

 坪井、阪口のふたりが2台そろってQ2進出と、P.MU/CERUMO・INGINGにとっては、前日に続き予選での好調さが際立った。勢いそのままに臨んだ午前9時35分からのQ2では、そろって残り6分というタイミングでコースイン。チェッカー間際にアタックを展開した。

 ここで坪井は一気に1分21秒731までタイムアップ。その後他車のタイムアップもあったことから5番手となるが、前日に続き3列目グリッドを獲得。さらに阪口も1分22秒028を記録。第1戦と同じく8番手につけた。

 坪井は「昨年からのQ1からQ2への伸びしろが課題ですね。ただ進歩はしているので、あとワンステップだと思います」と予選を振り返った。

 一方、阪口は「自分たちとしての底上げができていると感じました。Q2への上げ幅は課題ですが、昨年Q1を突破できず調べようがなかったので、そこは進歩できていると思っています」と手ごたえを語った。

2023スーパーフォーミュラ第2戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第2戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

決勝レース

4月9日(日) 14:30〜
天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム:#38 坪井翔 1’24.162(14L)/#39 阪口晴南 1’24.488(40L)

 
 迎えた第2戦の決勝レースは、前日よりも20分遅い午後2時30分にフォーメーションラップのスタートが切られた。午前から晴天は続いていたものの風が冷たく、気温13℃、路面温度32℃というコンディション。予選でもタイヤのウォームアップに苦しんだドライバーが多い状況だった。

 2台ともに苦戦したスタートでは、前日の第1戦での反省を活かし坪井、阪口ともに好発進を決める。特に良かったのは阪口だったが、TGRコーナーではアウト側に押し出されるかたちになってしまい、わずかにポジションダウン。1周目、坪井はひとつポジションを上げて4番手、阪口はグリッドどおりの8番手につけた。

 今回もスタートではストールする車両が何台かいたが、一方で接触等はなく、僅差の序盤戦となっていく。そんななか坪井は2周目、TGRコーナーで#37宮田莉朋をオーバーテイクし3番手に浮上する。また阪口もペースは良好で、先行する#20平川亮を追走。5周目、#20平川にはペナルティが出されたことから、阪口は7番手に浮上した。

 直後の8周目、TGRコーナーで#6太田格之進と接触した#36ジュリアーノ・アレジがスピンを喫し、コース上で停止してしまった。これでこのレース初めてのセーフティカーランとなるが、10周目のピットウインドウオープンのタイミングがやってくる。この機を逃すまいと、#20平川をのぞく全車がピット作業を行った。

 ここで坪井はピットイン組の3番手でコースに復帰すると、リスタート後には序盤首位を走っていた#53大湯都史樹をオーバーテイク。ピットイン組の2番手に浮上する。一方の阪口は、坪井の作業後にピットを行うダブルピットになってしまったことから順位を落としたものの、12番手につけ集団のなかで後半戦を戦っていった。

 中盤から少しずつ各車の間隔が広がっていくも、上位陣では坪井の背後にいた#53大湯のペースが上がらず、坪井は首位の#1野尻智紀も射程に収めていく。また阪口も悪くないペースで中団につけると、#53大湯のピットインなどもありポジションアップ。9番手につけて終盤戦の戦いを続けていった。

 ただ32周目、阪口には思わぬペナルティが課されてしまった。序盤のセーフティカー時にほぼ全車がピットへ向かう際、前走車との車身を開けすぎてしまったとして、レース結果に5秒のタイムペナルティが課されてしまったのだ。入賞圏内を死守するためにもひとつでも多く順位を上げたいところではあったが、阪口はペースは悪くないものの、集団から抜け出すほどではなかった。

 一方、2番手を走っていた坪井にも後方から第1戦のウイナーである#15リアム・ローソンが接近していた。ローソンは阪口と同じペナルティが課されており、ポジションを上げることで表彰台圏内を守りたい狙いがあった。

 しかし、この日の坪井は決勝ペースも良好で、#15ローソンにつけいる隙を与えない。36周目以降、#15ローソンはオーバーテイクシステムを活用しながら接近してきたが、坪井はこれを死守。41周を走り切り2位でチェッカーを受けた。2022年第6戦富士以来の表彰台だが、昨年とは異なる、ポジティブな喜びがある2位となった。

 阪口も最後まで粘り強く走り切り、8位でチェッカー。タイムペナルティを受けた後も10位となり、今季初入賞を果たした。2台揃っての入賞は昨年の第9戦鈴鹿以来。2週間後の第3戦鈴鹿に向けて、チームを大きく勇気づける結果で開幕ラウンドを締めくくった。

2023スーパーフォーミュラ第2戦富士 坪井翔(P.MU /CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第2戦富士 坪井翔(P.MU /CERUMO・INGING)

 

ドライバー/監督コメント

#38 坪井翔

「第1戦はレースができなかったので、この第2戦が僕にとっての開幕戦となりましたが、情報量がみんなより少なくなってしまったのが辛いところでした。今日は予選ではトップに届くほどではなかったので、そこは改善点ですが、決勝レースではうまくマネージメントできましたし、要所要所でポジションを上げることができました」

「自分にやれることはすべてできたと思っています。勝てなかったですが、ひとまず2位でレースを終えることができて良かったですし、昨日壊れてしまったクルマをしっかり直してくれたチームの皆さんに感謝しています。あとは優勝するだけですし、今回の課題を鈴鹿にもぶつけて、勝てるように頑張っていきたいと思っています」

2023スーパーフォーミュラ第2戦富士 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第2戦富士 坪井翔(P.MU /CERUMO・INGING)

 

#39 阪口晴南

「スタートは決まりましたが、位置取りでアウトに出てしまったのは仕方ないですね。とはいえスタートを決めることができたのは非常にポジティブです。その後、セーフティカーラン時にダブルピットになってしまったことも仕方ないですが、ペナルティを受けてしまったのは反省ですね」

「集団で走っていたライバルと比べて、セクター3で詰め切れないような印象で、あまり抜くチャンスはありませんでした。レースペースは課題ですが、今日は集団のなかで戦えたことで収穫もありましたし、今後に活きてくると思います。今回2台入賞、さらに坪井選手が表彰台を獲得してくれたことでチームの士気も高まりました。鈴鹿に向けてすごく良いレースになりましたね」

2023スーパーフォーミュラ第2戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第2戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

立川祐路監督

「坪井選手については昨日の不運のリベンジをしっかりと果たしてくれました。メカニックのみんながクルマを夜遅くまでかかって修復してくれて、予選から戦えるクルマになっていたと思います。坪井選手、メカニックの頑張りが2位に繋がったのではないでしょうか。自信にも繋がりますし、この波に乗りたいですね」

「阪口選手についてはセーフティカーラン時のピットで混乱やミスがありました。そこで順位を下げてしまったのは残念でしたし、ペナルティもしっかり指示できなかった自分の責任もあると思います。ドライバーが本来走れる位置に戻れるよう、チームとしてしっかり頑張っていきたいです。皆さん開幕ラウンドへのご声援ありがとうございました」

2023スーパーフォーミュラ第2戦富士 立川祐路監督(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第2戦富士 立川祐路監督(P.MU/CERUMO・INGING)


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