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スーパーGT ニュース

投稿日: 2024.04.14 18:10
更新日: 2024.04.15 22:19

au TOM’S圧倒の開幕戦。GRスープラ表彰台独占を新車シビックが奪い返す【第1戦GT500決勝レポート】

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スーパーGT | au TOM’S圧倒の開幕戦。GRスープラ表彰台独占を新車シビックが奪い返す【第1戦GT500決勝レポート】

 レースウイークを通じて快晴に恵まれた“晴れの国”での開幕戦、2024年第1戦岡山国際サーキットでのGT500決勝は王者au TOM’S GR Supraが席巻し、引き続き36号車として戦うエース坪井翔と新パートナーの山下健太が、公式練習、予選、そして決勝82周を制圧しての完璧なポール・トゥ・ウインを達成。背後には陣営内の39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraが入り、トヨタ/GR陣営が前評判どおりのワン・ツー・フィニッシュを決めている。

 新型車のデビューやベースモデルの更新、そして開発凍結の解除と新規登録により、新世代の勝負となる2024年シーズンは、導入2年目を迎えたカーボンニュートラル・フューエル(CNF)『GTA R100』の使いこなしや、年間のレース距離を含めた新たな競技フォーマットの攻略など、未知の要素が数多く含まれる。

 そんな走行初日を迎えた土曜は、オフテストの好調が伝えられ車体・エンジンともに「実質的な新型」と自負するトヨタ/GR陣営の24年仕様GR Supraが速さを見せる展開に。午前の公式練習、そして2名のドライバーによる“タイム合算方式”へと改められた午後の公式予選ともに36号車au TOM’S GR Supraが最速の地位を誇示し、まずは開幕ポールポジションの座を手にした。

 一方、次期型モデルとして早くから投入がアナウンスされてきたホンダのニューモデル、FL5型をベースとするHonda CIVIC TYPE R-GTも、この冬の走り込み期間ではサーキットの相性的に「一番、調子が良くなかった」という公式シェイクダウンの地で下馬評を覆す快走を披露。陣営のエースカーでもある100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTが2列目3番手に飛び込んでいる。

 そして4台中2台がブリヂストンタイヤにスイッチしたニッサン/ニスモ陣営のZも、今季よりベース車両を“Z NISMO”に更新し、予選Q1では23号車MOTUL AUTECH Zの千代勝正が鮮烈なトップタイムもマーク。最終的には3号車Niterra MOTUL Zとともにグリッド3列目以降から300km決勝での逆襲を狙う。

■オープニングラップの接触で悔しいリタイア

 明けた日曜午前のピットウォークから大勢のファンが詰めかけたサーキット上空では、快晴の空を切り裂く航空自衛隊のF-2デモフライトで会場のボルテージが高まると、正午開始のウォームアップ走行では各車が順調にラップを消化。ここでも上位グリッド勢が主導権を握り、午後の82周300km勝負に向け確実に準備を進めていく。

 13時30分のパレード&フォーメーションラップを前に、気温は予報どおり26度を超える夏日に達し、日差しが温め続けた路面温度は39度に上昇。週末で一番高い温度条件のなかスタートの瞬間を迎える。

 今季最初のホールショットを射止めたのは“チャンピオン”の36号車au坪井だったものの、その背後では複数のドラマが発生。ターン1へのブレーキング勝負でインサイドを抑えた5番手発進の14号車ENEOS X PRIME GR Supraの大嶋和也だったが、その際に背後からアウト側に出ていたMOTUL AUTECHロニー・クインタレッリにヒットしてしまう。

 これでもつれた5番手争いはリボルバーコーナーを下った先で新たなアクシデントを引き起こし、9番手スタートから14号車ENEOS X PRIMEの背後に迫った12号車MARELLI IMPUL Zのベルトラン・バゲットが接触。これでスピンを喫した大嶋に、17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTの太田格之進が激突。これで移籍初戦の太田はクルマを止める事態となってしまう。

 さらにGT300クラスでも接触コースオフが発生したことなどから、直後にはフルコースイエロー(FCY)ではなくセーフティカー(SC)が導入され、停止車両の移動やデブリの回収、車両牽引によるコース復帰の補助など、スタート直後から波乱の幕開けとなる。

 いつもの規定どおりホームストレートでクラス別の隊列が整えられたことで、予選タイムなしでピットスタートを強いられていた8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは、リスタートを前に自身のボックスで給油作業のみを完了させた上で、レーシングスピードでのGT300の隊列処理を強いられることなくクラス最後尾に復帰。さらに5周目のピットレーンオープンでは、接触によるダメージを負っていた12号車MARELLI IMPULと14号車ENEOS X PRIMEがピットへ修復作業に向かったため、8号車は実質12番手で勝負を始めることに。

【順位結果】2024年スーパーGT第1戦岡山 決勝
2024スーパーGT第1戦岡山 GT500クラスのスタートシーン

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