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スーパーGT ニュース

投稿日: 2024.04.29 18:59
更新日: 2024.04.29 19:16

apr LC500h GT 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

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スーパーGT | apr LC500h GT 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

2024 AUTOBACS SUPER GT Round1
OKAYAMA GT 300km RACE
Round 1 岡山国際サーキット
apr LC500h GT

開催地:岡山国際サーキット(岡山県)/3.703km
4月13日(予選)
天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:8500人
4月14日(決勝)
天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:1万5500人

予選では14番手に沈むも、決勝はタイヤ無交換敢行で5位フィニッシュ

 全日本GT選手権のシリーズ戦が始まったのが1994年。全日本選手権の枠を超え、2005年にスーパーGTと改称したが、今季はシリーズ発足から30周年を迎える。

 その節目のシーズンに大きな変革があった。環境問題対策としてタイヤの持ち込みを1セット削減し、予選はQ1とQ2の合算タイム方式を採用、Q1からQ2、決勝スタートまで同じ1セットのタイヤしか使うことができない。GT300においては、カーボンニュートラルフューエル(CNF)の『GTA R50』が導入され、安全性向上策として追加重量の搭載が義務付けられた。

 31号車『apr LC500h GT』にとって、追加重量は大きな足かせとなる。GT300車両で唯一ハイブリッドシステムを積み、それも含めた岡山ラウンドでのBoP重量が事前テストから20㎏増え、90kg。そこに追加重量の38kgが載った車両重量は、GT300クラスで2番目に重い1250㎏+128㎏=1378kgになってしまった。コーナリングマシンであるGTA-GT300車両は重量感度が高く、厳しい展開が予想された。

 相当厳しい条件ではあるが、それを乗り越えるのがスーパーGTだ。今季は小高一斗を第1ドライバーに、2024年のFIA-F4でシリーズ2位になった中村仁が第2ドライバーとして加入。昨季同様、根本悠生が第3ドライバーを務める。そして2年目を迎えたLC500hは熟成を進め、昨季届かなかったポールポジションと優勝、さらにチャンピオンを目指す。

公式練習6番手 4月13日(土)9:30~11:15

 快晴の空の下、気温20度、路面温度26度で始まった公式練習。LC500h投入初年度の昨季の岡山は冷たい雨が降り続けていた。コンディションもセッティングもタイヤも、まったく異なる走り出しになった。

 31号車は、小高選手と中村選手を交互に走らせて持ち込みセットを確認しつつ、セットアップを進めていく。そのなかで、ルーキーイヤーの中村選手には経験を積ませるべく、2回目の担当を長めに設定した。

 岡山はもともと、路面コンディションが変化しやすいサーキットだ。時間が経って路面にラバーが載ってくればタイヤのグリップが上がるのはどのサーキットでも同じだが、岡山はダストが出てくるとグリップ感が落ちることがある。今回もやはり、開始から40分を経過したころからタイムが上がらなくなった。しかし、グリップ感の落ち幅は例年以上に感じた。これは後に分かったことだが、今季からはGT300車両もCNFを使用するようになり、ブローバイガスの大気放出量が増え、それが路面に載って滑りやすい状況になっていたようだ。

 31号車は8周目、中村選手がマークした1分26秒720がベストタイムとなり、全体で6番手のリザルトに。滑りやすい路面に合わせ込んでセッティングを変更した、公式練習直後のFCY(フルコースイエロー)練習ではトップタイムを刻んだ。ロングホイールベースのLC500hは中高速コーナーを得意としており、岡山のような低中速コースは得意としていないが、上位を狙える手応えを感じて予選に臨むことができた。

公式予選4月13日(土)

Q1 B/11番手14:18~14:28
Q2 Gr.2/2番手14:53~15:03
総合順位14番手

 予選はGT300のQ1 A組からスタート。その14時00分の時点で気温は27度、路面温度は36度まで達していた。

 31号車はQ1 B組の出走で、小林選手が担当する。朝の公式練習とFCY練習での好調さから、8番手以内に入ってのQ1突破が期待されていた。しかし、1分26秒803は11番手タイムで、Q2はグループ2への振り分けになってしまった。これは滑る路面を想定したセッティングが原因。CNFは揮発性が高く、路面はすでにグリップを取り戻していたのだ。

 Q2グループ2に向けては『グリップする路面』のセットアップにアジャストして小高選手をコースへと送り出す。ここで小高選手は2番手となる1分26秒807を記録。GT300の予選は特別ルールにより、Q2グループ1の下位4台とグループ2の上位4台による入れ替え戦があり、Q1/Q2合算タイムで下克上を果たし、総合14番手に上がることができた。

apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)
2024スーパーGT第1戦岡山 apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)

●小高一斗

「僕たちとしてはQ1を上位で通ると思っていたので、予想していなかったというか、悔しい予選でした。フルプッシュすると結構マシンも安定感が無くドライビングは難しかった」

「でも、去年のルールのままだと18番グリッドからのスタートだったはずなので、合算の予選になって最低限リカバリーできる順位になれたかなと思います。決勝に向けて、追い上げていきたいですね」

●中村仁

「公式テストでの模擬予選でも僕がQ1を担当させてもらって自信はあったのですけど、路面状況とマシンバランスがうまく噛み合いませんでした」

「大きなミスはなく、しっかり走れたのですけど、結果がついてこず悔いの残る予選になってしまいました。クルマにはそれなりに慣れることができたので、終わったことは気持ちを切り替えて、決勝では自分の仕事をやりきりたいと思います」

●根本悠生

「昨年の岡山公式テストでCNF燃料による路面が悪化した時のセットをチームにアドバイスしFCYテスト時は1番時計でした。そんな背景から、Q1もそのセットでアタックだったのですが、それが大きく裏目に出て不安定なマシンバランスだった感じです」

「予選がタイヤ1セットで路面コンディションもコロコロと変化し、アジャストしなければならない事が増えたので今年の予選は難しいです」

●金曽裕人監督

「公式練習の後半とFCY練習と同じように滑る路面を予測して、Q1も同じセットアップでいったら、路面のグリップが戻っていたのが大誤算。ドライのなか、中村選手にはひとりだけウエットセットで走らせるような結果になってしまい、気持ちよくアタックさせることができなかったのは僕のミスで申し訳ないです」

「ふたりのドライバーのパフォーマンスなら、もう少し上の順位にいないとおかしいですからね。決勝は14番手からのスタートですが、秘策はありますので、うまくいけば上位に食い込める自信はあります。ご期待の程」

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