チームスタッフのほとんどが埼玉トヨペットの社員ということもあり、市販車両とレース車両の扱い方の違いに苦労もあるという。
開幕戦で大きなクラッシュを喫したマシンは、パーツデリバリーの関係で第2戦富士への参戦が危ぶまれたというが、それもスペアパーツが大量にストックされている市販車ではめったにない話だ。
エンジニアリングの面でも、専門的な知識を学んできたわけではない分、1戦1戦が学習の場。チームにとってはレースを通したディーラースタッフ全体のレベルアップも参戦目標のひとつだ。
開幕戦は決勝でのクラッシュで始まり、第2戦はトラブルを乗り越えての完走。そして第3戦も予選でマシンにダメージを負ったが、決勝までに修復し2度目の完走を果たしたマークX MC。
生まれたてのマシンと成長途中のチームとともに番場が目指すのは、周囲とは少し違う目標だ。
「予選のポールポジションとか優勝とか、そういったものはまだ無理だと思います。表彰台はマシンの開発次第な部分も大きく、簡単には行かないと思う。でも、チーム自身がどんなことが起きてもそれを糧にしてレベルアップしているんですね」
「チームの人数に対して参戦しているカテゴリーや台数がすごく多いので、チームは毎週のようにレースに出ていますが、そんななかでもマークX MCに対しては(毎戦)必ず1~2アイテム、新しいタマやテストメニューを投入してくれるんです」
「こういう努力が実って、クルマのポテンシャルも上がれば、平沼さん(平沼貴之選手)と一緒に表彰台に上がるのも、夢ではないと思っています。欲を言えば、周りのクルマがウエイトを積んでくる終盤戦に、いい位置で走れるようにしたいですね」