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スーパーGT ニュース

投稿日: 2018.04.12 10:16
更新日: 2018.04.12 10:17

スーパーGT:岡山で魅せた玄人らしさ。真正ルーキー、ローゼンクヴィストは「格が違う」

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スーパーGT | スーパーGT:岡山で魅せた玄人らしさ。真正ルーキー、ローゼンクヴィストは「格が違う」

「初めてのレース、エンジョイできたよ。スタートはけっこう(まわりのみんなが)クレイジーな状況だったね。(GT300クラスの)トラフィックもやはり大変だった。タイヤのウォームアップに少し問題があったし、スティント終盤はタイヤがムービングしているところもあったんだけどね。でも、うまくマネージメントできたと思う」

 まったくもって“新人感”のないレースぶりで上位フィニッシュに貢献したローゼンクヴィストの言である。山田健二チーフエンジニアも「普通はもっと苦労しますよ。過去にも海外から来た(他陣営の)選手が、最初はもっと苦労していたことがありましたよね。昨日の予選もレクサスのベテランたちでさえ苦戦する状況のなか、レクサス勢トップでQ1を突破してくれましたし、スーパーマンですね」とローゼンクヴィストを絶賛する。

 山田エンジニアはローゼンクヴィストの良さを「真面目ですね。すごく真面目です」と、習得意欲の高さを強調。マカオF3で2回も勝ったのにF1には乗れず、いろいろなカテゴリーに出場するなど「そういう苦労をしてきているところも(彼の速さや強さにつながっている面が)あると思いますし、逆にいえば彼がF1に乗れていないことはおかしい。F1にいっても通用するでしょうね。格が違う印象を受けます」。納得のローゼンクヴィスト評である。

 脇阪寿一監督も、「プラスアルファの能力の持ち主」と評し、彼があれだけのことをできるのは「勝負にいく前に徹底した準備があるからです」と語る。

 ミスター即戦力たるローゼンクヴィストには、天性の閃きだけで走っているような印象を抱きがちだが、それもあるとはいえ、やはり真面目に入念な準備をしているからこそ、のようだ。

 もちろん準備は誰でもしているはずだし、一日が24時間しかないのも皆、同じ。だから、おそらくは要点を得た、質の高い準備をできるのがローゼンクヴィストというドライバーの凄さの源泉なのだろう。

 また、脇阪監督の評価にはコース上での振る舞いに関しての意味も汲み取れるように思える。たとえばオーバーテイクをするにしても、場当たり的に仕掛けるのではなく、その前に相手に対して入念に布石を敷いておいてから、仕留めにいく。「勝負にいく前の徹底した準備」とは、そういうことでもあるのではないか(GT500現役時の脇阪監督がそうだった)。いずれにせよ、ローゼンクヴィストと大嶋のコンビは今季GT500戦線において強力な存在感を放つことになりそうだ。

 次の富士戦に向けてローゼンクヴィストは、たった1日だけ参加できた公式テストの感触をもとにこう語る。「富士にも我々のマシンは合っていると思う。自分たちのマシンはブレーキングが特にいいと富士テストでは感じられた。(ハンデ16kgなら)ポディウムを争うことができるだろう。もちろん、我々よりもハンデの軽いレクサス勢がいる、という状況はあるけどね。OK、いいと思うよ」。

 真面目で、質の高い徹底した準備ができるからこそのひょうひょうさ。昨年のスーパーフォーミュラに続き、今年はスーパーGTでミスター即戦力が魅せてくれそうだ。


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